そうした日々から数カ月後、香苗さん一家は再びご主人のいる国へ戻ることになりました。
「そのまま日本に残るという選択肢もありましたが、家族で話し合い、子どもたちの気持ちも聞いたうえで家族がいっしょに暮らすことを選びました」
現地では依然として外出規制が続き、学校の授業もオンラインが主体となっていましたが、次男さんはその授業にもほとんど出席せず、自室にこもることが多かったそうです。
ただ、その頃の香苗さんは少しずつ落ち着きを取り戻しており、次男さんの気分が比較的安定しているときにはリビングに出てこられるよう、関わり方を工夫するようになったといいます。
また、外出制限があるなかで、家族でUNOやトランプといったゲームを楽しむ時間を意識的につくりました。不登校が始まった当初と比べると、家庭内の雰囲気は少しずつ安定してきていました。
変化が見られ始めた次男
そんな変化が伝わったのでしょうか。その頃から、次男さんにも少しずつ変化が見られるようになります。
「『あのとき、こんなことが嫌だった』と、自分の気持ちを話してくれるようになったんです。たとえば、子どもたちは赴任先ではインターナショナルスクールに通っていましたが、次男は『本当は日本人学校に行きたかった』と話してくれました。親の私たちがきちんと耳を傾けていなかったから、本音を言えなかったんだと思います」
そして香苗さんは、次男さんの心を長く閉ざすことになったもうひとつの背景についても語ります。
「私が長男のことで手いっぱいだったことです」


















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