家族の転勤と子どもの不登校には関係があるのでしょうか。今回は、海外転勤の経験が多いご一家の事例を紹介します。
香苗さん(仮名・47歳)は、男の子ふたりを育てるお母さんです。そのうち下のお子さんが不登校になり、数年にわたってサポートを続けてきました。
香苗さん一家はご主人の仕事の関係で南米のある国に住んでいましたが、現地で流行った感染症の影響を受け、日本に一時帰国することになりました。
「現地ではちょっとした外出規制が行われ、自由に外出できなくなったんです。会社からの指示で夫を現地に残し、私と子どもたちだけが日本に戻ることになりました」
当時、次男さんは中学生。一時帰国に伴い、首都圏の公立中学校に入学しましたが、その頃から少しずつ様子が変わっていったと香苗さんは振り返ります。
海外と日本の学校とのギャップに戸惑う日々
「腹痛や頭痛を訴えるようになり、学校に行けなくなりました。家では自室でゲームをしたり動画を見てばかり。そのうち昼夜逆転になり、部屋からほとんど出てこない生活になったんです」
学校に行けなくなった理由はわからないものの、香苗さんは「生活環境の急激な変化がきっかけだったのでは」と感じました。
日本で入学した中学校では大量のプリント課題が出されていたといいます。一方、香苗さん一家が暮らしていた南米の学校では、授業はすべて英語で行われ、学習にはタブレットを使用。ペンや鉛筆を持つ機会はほとんどなかったとか。
そうした学習環境の違いに戸惑い、課題の提出状況や委員会活動への参加などが評価につながる日本の仕組みに馴染めなかったのではないかと香苗さんは話します。
「私の関わり方もよくなかったんです。息子のまじめな性格を十分に考えず、『ちゃんとやりなさい』とプレッシャーをかけてしまいました」
次男さんはやがて、香苗さんを言葉で攻撃するようになり、タブレットを壊したり、夜中に突然枕を投げたりするようになります。
「この子はいったいどうなってしまうんだろう」
海外にいるご主人を頼ることもできず、香苗さんは震える思いですべてを受け止める日々を送ることになりました。


















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