堕ちた「ジャック・バウアー」。『24』主演キーファー・サザーランド(59)はなぜ暴走を繰り返すのか?

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『24』で彼が大復活を果たしたのは、その2年後。当時はまだ、ハリウッドにおいてテレビは明確に映画より下に位置し、映画俳優がテレビにレギュラー出演するには、ある種の勇気が必要だった。

しかしこのドラマが全世界で大ヒットし、サザーランドがエミー賞の主演男優賞(ドラマシリーズ部門)を受賞すると、そんな偏見は吹っ飛んでしまう。ギャラも、当時のテレビドラマの出演料としては最高記録。どこを取っても良いことだらけで、彼は順風満帆だった。

だが、無念にも、彼はその勢いを活かせないで終わるのだ。シーズンの合間に映画に出て、違うキャラクターで役者としての幅広さを発揮しようとするも、うまくいかないままだったのである。そうしたフラストレーションも俳優にはよくあることだ。ただ、そうとわかっていても、本人にとっては苦しい。

『24』の成功後もオファーは多くなかった

昨年、「Independent」へのインタビューで、彼は「『24』の後、主演作の話が自然にたくさん入ってくるだろうと思っていた。だが、自分でチャンスを作らないと、勝手にそこにあるわけではないんだ。僕は仕事をするのが好きなのに、自分で計画をきちんと立てなかったから、仕事をしない時期もかなりあった」と、自省してみせた。彼はまた、そんな状況でもうすぐ還暦を迎えることへの思いもつぶやいている。

そんなところへ、つい最近もまた、彼の最新作でクリスマスをテーマにしたコメディ映画『Tinsel Town』が大コケしてしまった。イギリスでは配信直行、アメリカでは一応劇場公開だったが、興行成績があまりにも低すぎてランキングにも上がらない始末。レビューサイト「Rotten Tomatoes」を見ても、好意的な批評は47%と実に冴えない。この後に控えるアクションスリラーもインディーズ映画で、配給は決まっておらず、大きな期待はできなそうだ。

そんな中、プライベートで起きたこの事件は、彼のキャリアに決して良い影響を及ぼさないだろう。だが、人生は長い。彼の父のように、80代まで仕事をするなら、まだ20年以上あるのだ。駆け出し時代に彼のルームメイトだったロバート・ダウニー・Jr.も、見事に人生とキャリアを立て直してみせた。サザーランドにも、まだきっとチャンスはある。

猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト

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さるわたり ゆき / Yuki Saruwatari

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『バイラ』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。
X:@yukisaruwatari
 

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