「押し入れに…」人気フクロモモンガに事故死が多い訳――さみしさやストレスから生じる痛ましい死。小さい体が訴える飼い主へのメッセージとは

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フクロモモンガは、「かわいくて人なつっこい!」という美点だけの動物ではありません。もともと警戒心が強い動物です。そのため、慣らすまでに時間が必要です。

また、夜行性の動物であることから夜に活発になること、野生では声でコミュニケーションをとっていることから、夜鳴きが多く飼い主が寝られなくなることがあること。

ほかにも、嗅覚が鋭く、臭いでもコミュニケーションをとっていることから、思ったより臭いがきついこと、野生では樹上生活をしていることから、糞尿を壁などにまき散らすこと……など、飼育してみたら、「思っていたのとは違った」という飼い主さんも少なくありません。

正しい飼育情報を得るには…

正しい情報は、匿名・真偽不明のネット情報ではなく、長期の飼育実績をもつ専門家や所属が明らかな獣医師が執筆・監修した飼育書や医学書、記事などから学んでいただきたいと思います。

マイナス面も理解したうえで、ともに生活する覚悟がなければ、飼い主さんが、そして何よりフクロモモンガが不幸になってしまいます。

そして、そんな不幸を少しでも減らすため、フクロモモンガの病気に関する正しい情報を世の中に増やすべく、これからも僕はできるかぎりフクロモモンガの遺体をお引き受けし、病理解剖で得た知見を発信していきたいと考えています。

撮影協力:フクロモモンガ専門店「NOBIMO15」。ホームページはこちら(撮影:尾形文繁)
中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家

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なかむらしんいち / Shinichi Nakamura

1982年生まれ。大阪府出身。岡山理科大学獣医学部獣医学科講師。獣医師、博士(獣医学)、獣医病理学専門家、毒性病理学専門家。麻布大学獣医学部卒業、同大学院博士課程修了。京都市役所、株式会社栄養・病理学研究所を経て、2022年4月より現職。イカやヒトデからアフリカゾウまで、依頼があればどんな動物でも病理解剖、病理診断している。著書に『獣医病理学者が語る 動物のからだと病気』(緑書房,2022)。

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大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者

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おおたに ともみち / Tomomichi Ohtani

1982年生まれ。兵庫県出身。東京大学農学部卒業。同大学院農学生命科学研究科水圏生物科学専攻修士課程修了。同博士課程中退。出版社勤務を経て2015年2月にスタジオ大四畳半を設立し、現在に至る。農学・生命科学・理科教育・食などの分野の難解な事柄をわかりやすく伝えるサイエンスライターとして活動。主に書籍の企画・執筆・編集を行っている。著書に『増補版寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち』(講談社)、『眠れなくなるほどキモい生き物』(集英社インターナショナル)、『ウシのげっぷを退治しろ』(旬報社)など。

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