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「押し入れに…」人気フクロモモンガに事故死が多い訳――さみしさやストレスから生じる痛ましい死。小さい体が訴える飼い主へのメッセージとは

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  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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ケージの中で遊ぶ3頭のフクロモモンガ。ケージは往き来できるようになっている(撮影協力:NOBIMO15/撮影:尾形文繁)

日本でフクロモモンガがペットとして飼われるようになったのは、2000年に入ってから。僕も、20年ほど前からこれまでに3頭のフクロモモンガを飼ってきました。

当初は飼育方法の情報がほとんどなかったので、ペットとしての人気が先行していたアメリカの飼育書などを読んで、試行錯誤して飼っていました。幸い、3頭とも目立った病気をすることなく、10歳から12歳で亡くなりました。

フクロモモンガ最多の死因は?

そんなフクロモモンガに関しては、現在、年に10頭前後、病理解剖を行っています。また、遺体とは別に、動物病院で手術によって切除されたフクロモモンガの患部や臓器の一部(外科病理材料といいます)などを月に数例、病理診断しています。

かつては適切な餌も分からず、不適切な餌に起因する疾患が多かったですが、最近では専用フードも普及しており、以前ほどは目立ちません。

しかしそれでも、フクロモモンガは非常に偏食が強い動物のため、極端な餌で肥満になったり、偏った食事で栄養性の病気になる個体が今でも多く見られます。

僕のところに持ち込まれる遺体の死因、ナンバー1は「不慮の事故」です。

ケージの外に出して遊ばせているなかで、飼い主が誤って踏み潰してしまったり、扉や引き戸で挟んで潰してしまったりしたことによる、外傷性ショック死。同居しているほかの個体とけんかをして傷を負うケースや、外に出していたら犬や猫に咬まれたというケースもあります。

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【ケージから脱走した末に…】

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