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「押し入れに…」人気フクロモモンガに事故死が多い訳――さみしさやストレスから生じる痛ましい死。小さい体が訴える飼い主へのメッセージとは

9分で読める
  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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体の小さな動物なので、内臓に腫瘍ができた場合は発見も切除も現実的には困難な場合も多く、それらは死後の病理解剖で初めて明らかになることがほとんどです。しかし、皮ふにできた腫瘍であれば、早期発見によって転移する前に切除できる可能性があります。

日々のコミュニケーションでいつもと違わないかチェックすることが大事(撮影協力:NOBIMO15/撮影:尾形文繁)

人気先行で知識が追いつかない

イヌやネコと比べてペットとしての歴史が浅いフクロモモンガは、その生理や病気の傾向、適切な飼い方などがまだよくわかっていません。

推奨されている多頭飼いにしても、個体の相性が悪ければ同じケージ内で傷つけ合ったり、新しい個体を迎えた際に感染症が持ち込まれたりすることがあります。実際にそうした死亡例にも接しています。

しかし、こうしたデメリットは十分に周知されていないように思います。

一方、ペットとしての人気の高まりを受けて、ネット上には可愛らしいフクロモモンガの写真や動画とともに、さまざまな飼育情報が出回っています。そのなかには、真偽不明の情報や明らかに誤った情報もあります。

この記事を読んでいる読者の皆さんのなかには、今まさに、フクロモモンガを飼うことを考えている方もいらっしゃるかもしれません。

僕も今までたくさんの動物を飼育してきた経験から、フクロモモンガは似たようなサイズのハムスターと比べて寿命が長い、飼い主さんとコミュニケーションがとれてベタ慣れすることなど、ペットとして非常に魅力がある動物と感じています。

ただ、フクロモモンガのようにこれまで人間に飼われてこなかった動物には、それなりの理由があります。

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【「思ってたのと違う」とならないために】

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