生成AIで起きたのは「研究の低年齢化」ではない/民主化ではなく、「最初から本質を持っているか」が問われる残酷かつ公平な時代に

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生成AIによって、知的な仕事は民主化したのではない。知的な仕事は、「早期本質化」したのである。

つまり、能力が育つのを待って評価されるのではなく、最初から「本質を持っているか」が問われるようになったということだ。

誰でも専門家になれるわけではない。しかし、専門家に必要な資質――問いを立て、意味を与え、判断する力――は、非常に早い段階で、しかも年齢に関係なく可視化されるようになった。

もはや、作業ができることは「知的な仕事」の条件ではない。

その残酷かつ公平な事実が、研究室からオフィスまで、あらゆる場所で露わになっているだけのことだ。

大竹 文雄 大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授

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おおたけ ふみお / Fumio Otake

1961年京都府生まれ。1983年京都大学経済学部卒業、1985年大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。同年大阪大学経済学部助手、同社会経済研究所教授などを経て、2018年より大阪大学大学院経済学研究科教授。博士(経済学)。専門は労働経済学、行動経済学。2005年日経・経済図書文化賞、サントリー学芸賞、2006年エコノミスト賞(『日本の不平等』日本経済新聞社)、日本経済学会・石川賞、2008年日本学士院賞受賞。著書に『経済学的思考のセンス』『競争と公平感』『競争社会の歩き方』(いずれも中公新書)など。

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