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生成AIで起きたのは「研究の低年齢化」ではない/民主化ではなく、「最初から本質を持っているか」が問われる残酷かつ公平な時代に

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  • 大竹 文雄 大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授
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しかし生成AIは、こうした参入障壁を一気に無効化してしまった。

英語の論文を読むのも、Pythonで分析用のプログラミングコードを書くのも、報告書を整えるのも、「やり方を知っているかどうか」で決定的な差がつかなくなった。知的な仕事を支えていた「技術的な修練」そのものの希少性が、急速に失われているのだ。

最後に残ったのは「問い」と「判断」

では、作業の壁が消えた後に、何が価値として残ったのか。

残ったのは、きわめてシンプルな、しかしごまかしの効かない能力である。

第1に、なぜいまそれをやるのかという動機だ。第2に、何が本質的な問題なのかという問いだ。そして第3に、AIが出した結果は妥当なのかという判断である。第4として、どこで「十分」として止めるのかという決断も必要になる。

これらは、生成AIが代行できない。そして重要なのは、これらの能力は年齢や肩書とほとんど関係がないという点だ。

鋭い問題意識を持った学部生が、漫然と過ごした経験豊富な研究者よりも、はるかに筋のよい問いを立てることがある。同じことは、あらゆるビジネスの現場で起き始めている。

「若い人でも高度な仕事ができる」というのは、仕事のレベルが下がったという意味ではない。むしろ、仕事が成立する条件が純化され、本質的な「問いの質」だけで勝負が決まるようになったという意味である。

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【若手にとっての「残酷な」世界】

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