「不登園・不登校」ゼロ!「サムエル幼稚園」「さやか星小学校」の《行動分析学を基盤にした教育》とは?創設につながった"曲がった社会への憤り"

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同校では安心・安全な学校風土をつくるため、アメリカで推奨されている「いじめ防止の3Rプログラム」を採用し、いじめ対策にも取り組んでいる。

3Rとは、「認識すること(Recognize)」「対応すること(Respond)」「報告すること(Report)」で、いじめは起きるものという前提にプログラムを実施している。ロールプレイングでは、子どもたちが「いじめる役・いじめられる役・傍観者役」を演じることで、いじめをすると大人に伝わるという意識を植えつけ、いじめ防止を促しているそうだ。

また、望ましくない行動については、一貫した姿勢で対応する。

「いわゆる問題行動については『やりたければどうぞのマインド』で接し、その代わり必ずやったことに対して合理的な責任を取らせるという姿勢を貫きます。気持ちに寄り添いながらも『ならぬものはならぬ』という接し方を繰り返していくことで、子どもは変わっていきます」

同園では以前、餅つき大会の日に機嫌が悪く、「やりたくない」とすねた子どもがいた。楽しそうな餅つき大会を見て気が変わり「やってもいいかも」と言い出したが、最後まで参加させず、参加賞も与えなかったという。

「むき出しの強いエゴは、周りから嫌われ信頼関係も失ってしまう。そうならないためには、他者を尊重し優しく接することやエゴを主張しすぎない配慮が、他者のためだけでなく自分のためにもなると気づくべきなのです。小さい頃に“後悔させる”経験をさせることは、その気づきにつながります」

行動分析学に基づく対応は判断が難しい場合も多いが、日々のOJTやケース会議での共有を通じて教職員のスキル向上を図っているという。

個々に合った「パーソナライズ学習」を実施

奥田氏は、ソフトスキルの育成を重視しながらも、アカデミックスキルを伸ばすことも大切にしている。

同校では、全児童に個別の学習計画を作成し、発達段階や学習進度に合わせた「パーソナライズ学習」を実施。「学び手はつねに正しい」という考えをベースに、子どもが理解できないことがあれば、教え方がマッチしていないと捉え、どうしたらできるようになるかを教員が考える。

「例えば九九の学習で6の段を間違えてしまう子がいた場合、その子の能力が低いと捉えがちですが、それは教え方が悪いのです。だから一切叱らないし否定もしません。全児童分の個別の学習計画を作るのは大変ですが、独自の校務支援システムを開発するなど、テクノロジーの活用によって教員の負担軽減に取り組んでいます」

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