「不登園・不登校」ゼロ!「サムエル幼稚園」「さやか星小学校」の《行動分析学を基盤にした教育》とは?創設につながった"曲がった社会への憤り"

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「これまで学校や教育委員会、児童相談所などとも関わってきましたが、子どもの問題について口先だけで何も対応しなかったり、動きが遅かったりするケースは少なくありません。親も含めて自分さえよければいいと考える大人やエゴを遠慮なく表に出す大人が多いから、子どもの不登校やいじめ、暴力も増え続けているのではないでしょうか。そんな“曲がった社会”に憤りを感じたことが、幼稚園と学校の設立につながっています」

奥田健次氏
奥田健次(おくだ・けんじ)/専門行動療法士、臨床心理士。日本子ども健康科学会理事、日本行動分析学会常任理事などを歴任。行動分析学に基づき発達支援や子育て支援を国内外で提供。内山記念賞(日本行動療法学会)、日本教育実践学会研究奨励賞、第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)を受賞。桜花学園大学准教授などを経て、12年4月より行動コーチングアカデミー代表/学校長として西軽井沢に移住し、私財を投じて長野県に学校法人西軽井沢学園を創立。同法人初代理事長として、18年「サムエル幼稚園」を開園。24年「さやか星小学校」を佐久市内に開校。著書に『拝啓、アスペルガー先生』(飛鳥新社)、『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』(大和書房)、『メリットの法則-行動分析学・実践編』(集英社)など多数(写真:編集部撮影)

日本の学校教育についても、ずっと疑問を抱いてきた。

「偏差値至上主義の学校教育は30年以上も前に破綻しているはずなのに、いまだに学校も親も偏差値や肩書などの“看板”を重視しています。今や大企業にいてもクビになるし、災害やパンデミックなどでいつ人生の方向転換を余儀なくされるかわかりません。

そんな時代には、『アカデミックスキル(学力)』も大事ですが、人間関係を円滑にする『ソーシャルスキル』や、リーダーシップや優しさ、ユーモア、変化対応力といった『ソフトスキル』が重要だと考えています。サムエル幼稚園もさやか星小学校も、学力と並んでこうしたソフトスキルの獲得を重視していて、行動分析学を応用した教育、いわゆる『スクールワイドPBS』を行っています」

「学校参加率」を把握、「不登園・不登校」ゼロ

西軽井沢に開園した「サムエル幼稚園」は、35人定員の少人数制インクルーシブ教育を展開しており、現在約20名が在籍、佐久市に開校した「さやか星小学校」は1年生から5年生まで約40名が通っている。いずれも奥田氏の教育に賛同した保護者が集まっており、8割の家庭が県外からの移住者だという。

「園も小学校も、不登園や不登校、長期欠席はゼロ。前在籍校で不登校だった子も、今や楽しく学校に通っています。私たちは出欠に関して、滞在時間を学校参加率としてデータで把握しています。理由なく休んだ子がいればすぐに親御さんに連絡するなど、休み癖がつく前の登園・登校渋りの初期段階で対応しています」

文科省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」における出席の定義も、この学校参加率を用いるべきだと奥田氏は言う。

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