「不登園・不登校」ゼロ!「サムエル幼稚園」「さやか星小学校」の《行動分析学を基盤にした教育》とは?創設につながった"曲がった社会への憤り"

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「文科省の定義では、学校にわずかな時間でもいれば出席扱いになりますが、それでは“隠れ不登校”の子どもは把握できません。つまり、頑張って2時間目から来るようになった子も、放課後のクラブ活動だけきた子も、同じ出席数にカウントされます。実際の不登校と認識すべき数はもっと多いはずです。

子どもは自宅で動画を見たりゲームをしたりする生活が長くなれば、依存症になっていくケースも多いので、実態をきちんと把握して初動で対応すべきでしょう。もちろん、一時的な逃避行動が必要な状況もあると思いますが、『ここを逃げたらもっと苦手になる』という場合は適切な介入が必要です。

不登校の対応としては『行かせるべきか』『休ませるべきか』という2択で議論されがちですが、行動分析学を応用すれば個々に応じた第3、第4の対応は可能ですし、自分から学校に行きたくなるような学校づくりもできます」

偏差値で評価しない「マルチものさし」の視点

では、同園・同校では、どのような教育が実践されているのだろうか。まず共通するのが、「人は、あらゆる側面において1つのものさしだけで比べられるべきではない」という考え方だ。とくに“学業成績というものさし”が含まれる小学校では、「マルチものさし」という視点を大切にしている。人間は1人ひとり異なるのだから、子どもたちを偏差値という1つだけのものさしで評価せず、それぞれの可能性や強みを伸ばしていこうという視点である。

サムエル幼稚園とさやか星小学校
サムエル幼稚園(左)、さやか星小学校(右)(写真:西軽井沢学園)

「日本はいまだに偏差値至上主義ですが、そうした1つのものさしで評価される環境では序列意識が発生しやすく、人を見下す意識がいじめや差別を引き起こします。一方、誰もがキラッと光るところがあることに大人が気づいて評価してあげる“マルチものさし”の環境なら、勝ち組・負け組という発想は生まれません。

1つのものさしで測られて辛い思いをする子がいなくなり、みんながほかの子の長所に目が向くようになるのです。そういう学校をつくりたいとずっと思っていましたが、すでに手応えを感じています」

具体的には、例えば同校では、「表彰」を通じて「絵が上手な子」「虫を見つけるのがうまい子」「人に優しい子」など、子どものよいところを伝えるようにしている。

「また、表彰の場で『祝福される側』と『祝福する側』を体験させることも大切です。そうすると子どもたちは実際、それぞれのいいところを見つけ合うようになりましたし、まだ表彰されていない子はどうしたら自分が祝福されるのか考えるようになっています。年間を通して全員が表彰されることで、ピラミッドの頂点になる子がジャンルによって違うことが可視化されるので、子ども同士でバカにしあうこともありません」

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