無人タクシーの導入と商業化は予想以上に困難、カリフォルニア州の停電で起きた「災害時に交差点で立ち往生してしまう」という難点

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ニューヨークのマンハッタンを走行するウェイモの自動運転タクシー。11月26日撮影(写真:ロイター)

米西部カリフォルニア州サンフランシスコでは12月20日に発生した大規模停電により、市内の交差点のあちこちで米情報技術(IT)大手アルファベット傘下ウェイモの無人の自動運転タクシー(ロボタクシー)が立ち往生して交通が混乱した。そのため自動運転車の運営会社は地震や洪水といった大規模な緊急事態に対応する準備が整っているのかどうか、懸念が広がっている。

信号機が停止すると…

ウェイモのロボタクシーはサンフランシスコ市内では普通に目にする。しかし20日にカリフォルニア州電力大手PG&Eの変電所で火災が発生し、市内の約3分の1で停電が起きて信号機が停止すると、ロボタクシーがハザードランプを点灯させたまま交差点で動けなくなっていたことが、ソーシャルメディアに投稿された動画で確認された。ウェイモは運行をいったん停止し、翌日に再開した。

ロボタクシーはテスラやアマゾンのZoox(ズークス)などが複数の都市でサービス拡大を競い、初期段階ながら急成長しているが、今回の一件で業界に対してより厳格な規制を求める声が新たに湧き起こっている。

カーネギーメロン大学のコンピューター工学教授で自動運転技術の専門家であるフィリップ・クープマン氏は「停電への対応を誤った場合に、規制当局が地震シナリオへの適切な対処を何らかの形で証明するよう要求しないのは職務怠慢だ」と話す。

ウェイモは23日の声明で、同社のロボタクシーは信号機が停止した交差点を全方向一時停止の十字路として扱うよう設計されているが、場合によっては確認を求めることがあると説明した。20日は停止した信号7000カ所余りを車両が問題なく通過したものの、「停電によって確認要求が急増したため対応が遅れ、すでに発生していた渋滞を悪化させた」という。

ロボタクシー運営各社は、人間による遠隔アクセスの「テレオペレーション」をさまざまな度合いで導入して車両を監視・制御している。例えばウェイモには人間で構成された対応チームがあり、自動運転技術の「ウェイモドライバー」が特定の状況に遭遇した際に代わって対応する。

次ページ遠隔支援システムには限界
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事