日立建機が「ポイントサービス」を導入、“脱値引き”なるか
日立建機は業界初のポイント制度を始める。油圧ショベルなど建設機械の購入やレンタル、修理で支払う金額に応じてポイントが貯まる。6月20日にポイントを管理する専用サイトを開設する。ポイント還元率は明らかにしていないが、交換商品は建機部品のほか、食品や雑貨、家電など1000種類以上ある。
ポイント導入の狙いの一つは、値引き競争を避けるためだ。国内建設投資の低迷で特にレンタルでは顧客の奪い合いが激化。ポイントをつけることで値引きを抑える狙いがある。加えて、日立建機の顧客の大半は個人事業主。「支払いの決定権を握る奥様に喜んでもらいたい」(国内の販売やレンタル、保守を手掛ける日立建機日本の住岡浩二社長)。
購入、レンタル、修理のうち、半年の間にいずれか2つの取引をすればポイントが2倍に、すべての取引をすると3倍になるのが、この制度のミソだ。日立建機の国内売上高の5割は、複数取引を行う1割の顧客から稼ぐ。ポイント導入で複数取引が増えれば、売上高の増加につながる。新製品購入や顧客紹介でボーナスポイントをつけるなどの販促策も考えている。
ただ、ポイントをもらうより販売価格の引き下げを望む客もいる。狙いどおりに顧客を囲い込めるかは未知数だ。
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(長谷川 愛 =週刊東洋経済2012年6月2日号)
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