小泉純一郎内閣の下で、財政改革の象徴として「国債発行30兆円枠」を掲げて国債発行を抑制し実現した。第2次以降の安倍晋三内閣では国債発行額が一度も30兆円を下回ることはなかった。石破茂内閣では17年ぶりに30兆円を下回る予算編成を行った。高市内閣でもそれを実現したことになる。
26年度は、
財源確保もままならないかのように歳出拡大や減税を行うようにみえるが、国債発行額を抑制できたのはなぜだろうか。
それは、税収が大幅に増えると見込まれるからである。
26年度予算政府案における一般会計の税収は、83.7兆円と過去最高となる見込みである。一般会計の税収は、25年度当初予算では78.8兆円、25年度補正予算では80.7兆円と見積もっていた。26年度に所得税や法人税で大胆な減税を行うことを織り込んでも、25年度補正予算と比べて、約3兆円も税収が増えると見込んでいる。
税収はそんなに増えるのか。
それはわからない。ただ、そこには「責任ある積極財政」と渡り合う財務省の深謀遠慮があるのではないか。
補正予算で上振れ税収にタカられるよりはいい
税収が見積もり通りだったら、国債発行を30兆円以下に抑えられてそれでよし。税収が見積もり通りに入らなかったら、巨額の補正予算はもう組めない。どちらかにしかならないのだから、どちらになっても財政の膨張には歯止めがかけられる。
確かに、捕らぬ狸の皮算用になると、あとあと予算の修正が大変なことになる。だから、明らかに過大な税収見積もりはできない。
他方、コロナ禍以降毎年のように秋になると補正予算を組んでおり、そこで年度途中に上振れる税収にたかるように予算要求が出てきて、補正予算の規模が巨額になっている。
年度途中で補正予算編成で税収の上振れを吐き出さなければならないぐらいなら、当初予算時に税収の上振れをあらかじめ織り込んでおいて、年度途中に上振れる税収を当て込んだ補正予算を組むことができないようにすれば、巨額の補正予算に歯止めがかけられる。
それでも、当初予算で見込んだ税収が入らなかったらどうなるか。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら