撮り続けた「人と鉄道」写真家・南正時60年の軌跡 SLから新幹線まで「人生を運ぶ」鉄道のドラマ
筆者の鉄道写真家としてのデビューは、鉄道趣味誌やファン向けの書籍ではなく、一般の雑誌だった。初めて雑誌連載をしたのは青年漫画誌の『漫画アクション』だ。1970年代初頭、姿を消しつつあった全国各地の蒸気機関車(SL)を、同誌のグラビアページで連載した。
この取材のために各地の現役蒸気機関車を追ったが、そこで意識していたのはSLが走る地方ならではの郷土色、そしてSLを取り巻く人々の姿や生活をいかに描けるか、だった。
SLを動かす人々
米坂線では活躍を続けていた大正生まれのSL、9600形の活躍を追った。夕方の坂町機関区に戻ってきた9600形をとらえようと構えていると、キャブには前日の撮影の際に見た顔の機関士がいた。
あいさつしてその姿を撮影させてもらうと、夕方の光線に照らされて機関車の窓から顔を出すその精悍な表情は子どものころにあこがれた機関士の姿だった。


















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