交通事故死の約3倍!? 「冬の入浴事故」の深刻実態 事故を防ぐ住まいの"知恵" ヒートショックを予防するには? 実は新築でも油断できない…

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だが、体感だけでこの差を正確に測ることは難しい。まずは、各部屋に温度計を設置し、温度差を可視化(見える化)することから始めてみてほしい。最近ではスマホでログを確認できるスマート温湿度計なども手軽に導入できる。もし10℃近い差があるなら対策が必要だ。

脱衣所に小型のセラミックファンヒーターを置いて部分的に暖めるのはもちろん、サーキュレーターの活用もおすすめしたい。暖房の効いた部屋の空気を強制的に循環させ、廊下や隣室へ送り込むことで、家全体の温度ムラを和らげることができる。

住まいのリスクを見直そう

③ “家全体の断熱性能”向上をめざす

最後は、対症療法ではなく、家の性能そのものを底上げする根本的な対策だ。脱衣所だけの暖房は、あくまで一時しのぎに過ぎない。もし今回の電気代補助金の再開で、家計に少し余裕ができるなら、その浮いたコストを断熱リフォームへの投資に回すことを推奨したい。

中でも費用対効果が高いのが内窓(二重窓)の設置だ。住宅の中で、最も熱が逃げやすいのは「窓」などの開口部だ。ここを対策しない限り、いくら暖房効率の良いエアコンを使っても、暖めた空気はザルで水をすくうように逃げていってしまう。

今ある窓の内側にもう一つ窓を取り付ける内窓なら、工事は一窓あたり数時間で完了する。空気の層が強力な断熱材となり、外気の影響をシャットアウトできるだけでなく、結露を大きく減らせる可能性もあり、カビやダニの悩みからも解放される。

補助金による支援は、あくまで一時的な痛み止めに過ぎない。家の寒さは、お金では解決できない構造的な問題だからだ。ニュースに流れる補助金の話をきっかけに、換気の方法を見直す、温度計を置いてみる、あるいは窓の断熱を検討してみる。そうした「住まいそのもの」へのアプローチこそが、この冬の安心で快適な暮らしを守る確かな一歩になるはずだ。

田村 啓 さくら事務所 執行役員CRO、ホームインスペクター

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たむら けい / Kei Tamura

大手リフォーム会社での勤務経験を経て、株式会社さくら事務所に参画。建築の専門的な分野から、生活にまつわるお役立ち情報、防災の分野まで幅広い知見を持つ。多くのメディアや講演、YouTubeにて広く情報発信を行い、NHKドラマ『正直不動産』ではインスペクション部分を監修。2025年にさくら事務所・執行役員CROに就任。自身が取材協力した「マンションバブル41の落とし穴」(小学館)が発売中。

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