シロアリに食い潰される家<7項目チェック>、高断熱・高気密ほど被害甚大!阪神・淡路大震災で「全壊率93%」、冬は積雪倒壊の危険も

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住宅の多くは、シロアリの大好物である木材でできている。「食べ物」が豊富にあるだけでなく、床下はシロアリの天敵であるクロアリを避けることもできるという。直射日光が当たらず風通しが悪く、高気密・高断熱の木造家屋は、シロアリにとって温度や湿度面、そして安全上においても非常に快適な場所なのだ。

シロアリ被害にあった床下の様子(アサンテ提供)

シロアリ対策、自身の点検と専門家への相談の二段構えで

それでは、自宅のシロアリ被害を実際に防ぐにはどうすればいいのか。

特に重要なのが、普段なかなか意識することのない床や壁の点検である。冬の場合、結露が発生している壁の内部や、湿気がこもっている床下付近で、木材の含水率が上昇する。するとシロアリが活動しやすい環境となり、見えないところでシロアリの被害が拡大する恐れがある。

アサンテによると、自分自身でできる主なシロアリ対策のチェック項目は以下の通りだ。

・暖房を効かせている部屋の壁や床に、以前より結露がひどく発生する
・ゴキブリやムカデなどの不快害虫を冬でも見かける
・雪や雨が降った後、基礎や外壁のひび割れ部分に水が染み込んでいる跡が見える
・床材が変色してきた(黒ずみ、シミなど)
・ドアが開きにくい、閉まりにくいなど建具に違和感がある
・床がギシギシ音を立てる、一部沈み込む、たわむなど
・室内にカビ臭さを感じるようになった
玄関の被害(アサンテ提供)

こうした項目を定期的にチェックし、清掃や除湿などシロアリの侵入対策をするとともに、住宅の状態を常に把握しておくことが重要だ。仮にシロアリ被害が疑われる場合でも、いつ頃異常が認められたかわかれば、シロアリの被害がいつから広がっているかを一定程度把握できる。

日常的な点検を習慣にして住宅の状態を把握することは、シロアリ対策の第一歩となるが、少しでも不審な点や違和感があれば、やはり専門家に床下診断などを依頼するのが間違いない。専門家による検査を定期的に受けるのも有効だ。

多くの人が、自宅や実家の片付けや大掃除などに勤しむ年末年始。このタイミングで「シロアリ」の存在にも目を凝らし、長期的視点で住宅の「リスクマネジメント」に取り組んでみてはいかがだろうか。

岩崎 貴行 ジャーナリスト・文筆家

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いわさき たかゆき / Takayuki Iwasaki

1979年埼玉県生まれ。2003年早稲田大学政治経済学部卒業、同年日本経済新聞社に入社。政治部、金沢支局、社会部を経て、2013~2020年文化部で音楽(ジャズ・クラシックほか)や文芸などを担当。さいたま支局キャップ、地域報道センター次長も務めた。2024年9月に同社を退職し、同年10月から出版社勤務。専門は音楽を中心とする芸術文化で、音楽雑誌やネットメディアなどへの寄稿多数。東日本大震災、福島第1原発事故などの取材に関わった経験から、環境問題、地域振興などへの関心も高い。

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