シロアリに食い潰される家＜7項目チェック＞､高断熱･高気密ほど被害甚大！阪神･淡路大震災で｢全壊率93％｣､冬は積雪倒壊の危険も

腐朽被害にあった床下の木材（アサンテ提供）

阪神・淡路大震災での家屋の全壊率は、シロアリによる被害や腐朽があった建物で93.2％と高く、被害のない建物の約4倍に達していたという。柱や壁などの内部を食い荒らし、天井裏にまで被害が拡大するケースもあり、シロアリ被害が進行すると家屋の耐力が低下して倒壊リスクが高まるのは間違いないだろう。

シロアリは木材成分のセルロースと呼ばれる物質が大好物であるため、特に日本の木造建築は格好の餌食になりやすい。さらに木材の中でも柔らかいものが被害を受けやすいといい、押入れなど湿気の高い環境に長期間放置されている段ボールや新聞紙などに被害が生じるケースが多い。つまり住宅には、シロアリが生活しやすい環境が自然と生まれているのだ。

「シロアリは冬眠する」は大きな誤解

シロアリは一般的に春から夏にかけて発生するイメージが強く、冬期は冬眠していると考える人が多い。だが、これは大きな誤解であり、シロアリは1年中活動する虫なのである。

シロアリは温度によってその活動量が大きく変わるが、日本に多いヤマトシロアリの場合は下限が4～6℃、上限が33℃前後とされている。日本は本州でも真冬は4℃以下の日が多く、真夏は連日35℃以上の猛暑日を記録するはずだが、なぜ季節にかかわらずシロアリの活動が活発なのだろうか。

蟻道（アサンテ提供）

その理由は、日本ではそれぞれの地域の気候や住環境などに合わせて、人々がより快適に生活できるように温度や湿度を調整しているためである。寒い日は暖房などで温度や湿度を上げ、逆に暑い日は冷房で温度や湿度を下げているため、結果的にどの季節でも日本の住宅ではシロアリが活動できてしまっている。人間にとって住みやすい環境は、シロアリにとっても住みやすい環境なのである。