【ニスモが培った経験とブランド価値の再定義と海外展開】日産が第2世代「GT-R」を核としたレストア&レストモッド事業を強化する意図

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R34型スカイラインGT-R
R34型スカイラインGT-R(写真:筆者撮影)

当時同社では、Z-tuneを「ニスモが培ってきた第2世代GT-Rのノウハウと技術を詰め込んだ究極コンプリートカー」としていた。記憶している人もいるのではないだろうか。

足まわりやブレーキもエンジンパワーと増加を前提とした仕様が用意されている。GT-Rのマニアには天国だろう。

手ごたえを感じた背景について、真田CEOは言葉を続ける。

「ここ(神奈川県横浜市のニスモ事業所)を訪れるお客さまの半数がアメリカを中心とした海外からの方です。アメリカなどにもニスモのファクトリーを作っていきたいと考えています」

再起を図る日産の行方

NMCの真田裕代表取締役CEO
NMCの真田裕代表取締役CEO(写真:筆者撮影)

12月の記者会見では、レストア事業とともに、モータースポーツへの継続的な取り組みと、カスタマイズ事業の拡充も発表された。

カスタマイズ事業においては、「ニスモ・ロードカーのラインナップの拡充を目指す」(真田CEO)とされる。

現在グローバルで5車種のラインナップを展開するニスモ。「車種数を倍増させ、仕向地も拡大します」という。

「現在年間10万台規模の出荷台数を、2028年には約1.5倍にすることを目指します。カスタマイズ事業拡大のため、外部パートナーとの提携を加速」していくとも考えているそうだ。

MMCが手がけるフォーミュラEマシン
NMCが手がけるフォーミュラEマシン(写真:筆者撮影)

「基準車(ベース車両)に対してそれほど大きくない投資でやれるし、海外市場の声を反映して商品を開発して販売するのも、ともに付加価値を高め、かつ、海外の販売比率を上げ台数を増加させるのに貢献していくと考えています」

これはすべて、25年5月に発表された「Re:Nissan」なる日産自動車の経営再建計画と結びつくのだという。

ただし……この計画が発表されたとき、イバン・エスピノーサ社長は「先行開発や2026年度以降の商品の開発を一時的に停止」するとして、私たちに衝撃を与えた。

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もちろん、GT-Rがいつまでも路上を走るのは、クルマ好きには嬉しいことだ。同時に、新しいエキサイティングな日産車も見たいし、乗りたい。そこを絶対にはずさないで、と声を大にして言いたい。20年後30年後のレストア事業の”種”を絶やさないでほしいのだ。

 

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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