【ニスモが培った経験とブランド価値の再定義と海外展開】日産が第2世代「GT-R」を核としたレストア&レストモッド事業を強化する意図

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
MMCのファクトリー内にあったR33型スカイラインGT-R
NMCのファクトリー内にあったR33型スカイラインGT-R(写真:筆者撮影)

「日産車では、とりわけ第2世代のGT-R、つまりR32(1989年)、R33(95年)、R34(99年)の人気が高いところに注目しています。これら3台は現存するうち約半数が、米、欧、英、豪といった国へ、右ハンドルのまま輸出されているのが現状です」

はからずも、日本以外にマーケットが生まれているところに、NMCとして注目しているのだと真田CEOはいう。

「できるだけ長く乗りたい、どうやったら満足いく形でメンテナンスできるか。そう考えている海外のユーザーも想定ターゲットです」

ニスモが提案するレストモッドの世界

R35型GT-Rに搭載されるVR38DETTをベースにニスモがチューンナップしたS1エンジン。価格はエンジンオーバーホール+S1エンジンメニューで、部品代+工賃を含て322万3000円(税込)
R35型GT-Rに搭載されるVR38DETTをベースにニスモがチューンナップしたS1エンジン。価格はエンジンオーバーホール+S1エンジンメニューで、部品代+工賃を含めて322万3000円(税込)(写真:筆者撮影)

NMCが得意とするのは、レストアとレストモッド(改造)。

レストアは徹底している。エンジンを下ろすだけでなく、すべての部品をはずしてベアシャシーの状態から磨き上げていく。加えて過去のGT-Rなどを対象にニスモ・パーツの販売も行い、補修部品についてもサポートする。

レストモッドは、レストアとモディフィケーション(改造)を合わせた造語。レストア作業に加え、エンジンや足まわりのチューニングが含まれる。

R32型スカイラインGT-R
R32型スカイラインGT-R(写真:筆者撮影)

「アメリカには多くのガレージが独自のやり方で日本から個人輸入したGT-Rをレストモッドしています。NMCの強みは、私たちが設計開発したモデルなので、基礎データをすべて持っているところです」

レストモッドに関して、ニスモではGT-Rに搭載されている2.6リッター直列6気筒エンジン(RB26DETT型)のチューンナップも得意としている。たとえば、排気量をオリジナルの2.6リッターから2.8リッターに拡大するメニューがある。

さらにピストンやカムシャフトやターボチャージャーを替えて、出力をもとの280psから500ps(368kW)に引き上げるメニューもある。2004年発売のR34をベースにした「Z-tune」の内容に準じたものだ。

次ページレストアやカスタマイズなどの事業を加速させる日産の狙い
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事