「汚すぎる」「食べ物を粗末にしてる」と批判の声が…。大食い系YouTuberに「食べ物を吐いた」疑惑が浮上→活動休止。ここまで燃えた理由とは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

まるで「遊んでいたおもちゃが壊れたような感覚」ではないか。よりエスカレートすることを求めていたのは、ユーザー側だったのにもかかわらず、配信者のみを断罪する。そこには、一時の快楽としてしかコンテンツを位置づけていない、表面的な消費活動が見え隠れする。

資本主義の世の中である以上、何事も需要と供給で成り立っている。必要とされているから、そのニーズに合わせた商品(動画)を提供するのだ。しかし、消費者は得てして、あらゆる商品は、無尽蔵に出てくるものだと思っている。

言うなれば、視聴者は「この動画が、どのように手元へ届けられたのか」までは思いをはせない。倫理的な要素を横に置いて、この点においては配信者たちに同情できる部分もあるだろう。

「舞台裏は見たくない」という視聴者の心理

筆者はそもそも、なぜ「カットを多用する大食い動画」に需要があるのか不思議だった。テンポがよくなるのは利点だが、それ以上に「カットされた部分で、なんらかの工作をしている可能性」を感じさせるリスクのほうが大きいと感じるからだ。

しかし、背景を考察すると、どうして需要があるのかが見えてきた。こうした配信者のファンたちには「舞台裏は見たくない」といった心理があるのではないか。現実はどうでもいい、表面的な爽快感さえあればいい――。

だからこそ、リアルが見えると、すぐさまバッシングに徹する。今回の事案は、そうした構造を浮き彫りにしたと言えるだろう。もちろん疑惑のある動画を出しながら、その説明を行わないYouTuberに大きな非はあるのだが、だからといって視聴者の責任も見逃すわけにはいかないのではないだろうか。

城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きど・ゆずる / Yuzuru Kido

1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。現在は東洋経済オンラインのほか、ねとらぼ、ダイヤモンド・オンライン等でコラム、取材記事を執筆。炎上ウォッチャーとして「週刊プレイボーイ」や「週刊SPA!」でコメント。その他、ABEMA「ABEMA Prime」「ABEMA的ニュースショー」などネット番組、TOKYO FM/JFN「ONE MORNING」水曜レギュラー(2019.5-2020.3)、bayfm「POWER BAY MORNING」などラジオ番組にも出演。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。
X(旧ツイッター):@zurukid
公式サイト:https://zuru.org/

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事