「汚すぎる」「食べ物を粗末にしてる」と批判の声が…。大食い系YouTuberに「食べ物を吐いた」疑惑が浮上→活動休止。ここまで燃えた理由とは?

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若干毛色は異なるが、YouTubeでは「食べ物粗末系」の動画をめぐり、以前から炎上が相次いでいた。例えば、浴槽に「チーズ牛丼200人前」を詰めるものや、シュークリームなどをバットで壁に打ち付けるなどのケースがあり、いずれも投稿者は大きなバッシングを受けた。

リアルの世界でも、主に衛生面を理由としたフードロスが、時に問題視される。回転すしチェーンでの「しょうゆペロペロ」事件や、従業員が食材で遊ぶような「バイトテロ」などは、インターネットのみならず、マスメディアにも取り上げられ、社会問題化してきた。

「悪名も無名に勝る」

ではなぜ、これだけの前例があっても、「食べ物粗末系」は絶えないのか。ひとつには「悪名も無名に勝る」がある。常識外れの行為をして、一時的に批判を浴びても、その注目度を生かして、ポジティブイメージを強化すればいい。

「不良が更生したら、元からの優等生より褒められがちな法則」も味方に付けて、ある意味、宣伝戦略としてフードロスを利用するのだ。一方で、もし好印象につながらなくても、再生数が稼げれば、広告収益や自己肯定感は得られる。そうした理由から、悪魔と契約するYouTuberは少なくないだろう。

ただ、問題は配信側だけでない。これらの動画をコンテンツとして楽しんでいる人がいることが、YouTuberを増長させているように思える。いわば配信者と視聴者の相乗効果により、問題がさらに複雑化しているのではないか。

本来は大食い動画でなくても、「食べっぷり」が評価されて、刺激を求める視聴者が増えれば、より早く、より多く食べることが求められていく。そうなれば行き着く先は、人体としてのキャパシティーは関係なく、ただ単に「目の前で次々と口に入れる動作」が求められる世界だ。

このように、矢面に立つのは当然ながら演者だが、視聴者にも責任の一端があることは忘れてはならない。しかし一部の視聴者は、倫理観の辺境まで追いやっておきながら、ひとたび問題化すると「代えはあるから」と手のひらを返す。

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