｢実は南海の要衝｣岸里玉出､駅長に聞く日常風景　地元民だけが知る｢都会のローカル線｣の終着駅

難波を出発した南海本線・高野線の特急は、それぞれの複線が並んだ“線路別”の複々線区間を南下し、新今宮、天下茶屋という他社線との乗り換え拠点である主要駅に丁寧に停車していく。

新今宮はJR大阪環状線・関西本線（大和路線）との乗換駅で、大阪のシンボルタワー通天閣の運営会社が南海グループとなったことから、最寄り駅として2025年12月に副駅名「#まいど通天閣」を導入した。

天下茶屋には大阪メトロ堺筋線が乗り入れる。「天六」こと天神橋筋六丁目や相互直通運転先の阪急電鉄千里線・京都本線方面の電車の始発・終着駅だ。

南海本線と“2つの高野線”

天下茶屋を出ると、高野線は南海本線から東へカーブして分かれていく。南海本線と高野線、それぞれに岸里玉出駅のホームがある。同駅のホームは上空から見ると「ハ」の字のように離れている。

もう1つ忘れてはならないのが南海本線の線路の西側にある「汐見橋線」の短いホーム。汐見橋線は高野線・汐見橋―岸里玉出間（4.6km）の通称だ。

本来の高野線は難波の西側に位置する汐見橋と、高野山の極楽橋を結ぶ路線だが、岸里玉出で南北に走る南海本線の線路を境に分断され、独立した運用になっている。