「CoCo壱、高い」のブーイングはなぜ起こる? チェーンストア研究家が気づいた、"贅沢していないのに割高"と思わせるものの「正体」
特に、CoCo壱はチェーン店でもあるから、客としては、なるべくめんどくさい手間を省いて楽に食べたいと思うだろう。本来、チェーン店は「考えなくていい」ことに価値があるはずなのだ。
にもかかわらず、すべての選択を自分でしなくてはいけないCoCo壱には、あまりいい印象が持たれないのではないか。それに、自分で選択した後、目にするのは、かなり高い値段。全体のイメージが下がるのも、納得なのである。
価格と満足度のバランスを見直す時期にきている
CoCo壱は、売り上げ・利益は、客単価の増加でなんとか補填できている状態だが、消費者心理から見ると、危険な状態に入りつつあるかもしれない。
2026年2月期中間決算説明会資料では「(客足の)回復に向けた施策や新規顧客層にアプローチするための施策、QSCの向上に取り組んだものの、当中間期は前期比5.4%減となった」という。それだけ、顧客にとっては、CoCo壱自体を忌避する傾向が強まっているといえよう。それは、ここまで書いてきたような「なんとなく割高で、満足度が低い」感じを生み出してしまう、店自体のシステムにあるのかもしれない。
客単価の向上には限界があり、客足が減り続ければ、いずれは減益してしまう。その意味でも、やはりCoCo壱は「顧客にとってのCoCo壱の価値」を見直す時期に来ている。いわば、価格と納得度のバランスをよくよく考える必要がある。その際、「普通の満足で割高」「選択のパラドックス」といったことは重要な観点になってくるはずである。
そして、日本全体でインフレが進み、商品単価を上げざるをえない現在、この「価格と満足度のバランスをどう保つか」はすべての外食企業にとって取り組まざるをえない課題である。
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