「CoCo壱、高い」のブーイングはなぜ起こる? チェーンストア研究家が気づいた、"贅沢していないのに割高"と思わせるものの「正体」

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重要なのは、消費者心理から見れば、CoCo壱でのトッピングは「贅沢したから高い」のではなく、「普通に満足しようとすると高い」という感覚を生み出してしまっているのではないか、ということ。要するに、「普通なのに割高」なのだ。

カレーとトッピングがよほどの「特別感」を生み出してくれるならば、ある程度の値段でも消費者は納得するだろう。しかし、そうではないところに、CoCo壱の問題がある。「なんとなく損をしている」気分になるのだ。

「選択」という名の労働が顧客満足度を下げる

もうひとつ、「なんとなく高い印象」を生み出しているのが「選択肢の多さ」だと思う。先ほどから述べている通り、CoCo壱のトッピングは店のウリで、あらかじめメニューをしっかり用意するのではなく、「客に選ばせる」設計の店になっている。トッピングだけでなく、ご飯の量や辛さなど、さまざまに選択肢が多いことがCoCo壱の価値のひとつである。

ただ、ここが難しいところで「選択肢の多さ」は弱みにもなりうる。

心理学者のバリー・シュワルツが「選択のパラドックス」と命名した現象はこれをよく表している。シュワルツの言ったことを私なりにまとめると「選択肢が多すぎると、決断に多くの時間と脳内での処理が必要になる。さらに、決断した後も『これでよかったのか』という後悔が残り、最終的に満足度がさがる」ということになる。客にとっては、「選択という名の労働」を強いられていることになり、満足度が下がる。

これはまさに、CoCo壱で我々が経験していることではないだろうか。

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