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アメリカ政府がエヌビディア製AI半導体の対中輸出許可へ。台頭する中国国産メーカーは勝てるのか? セキュリティーめぐり米中対立も

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H200は2023年11月に発表されたAIチップで、その前身のH100をベースに高帯域幅メモリーを新世代のHBM3Eにアップグレードしている。その結果、計算処理能力、電力効率の面でエヌビディアの最先端品「ブラックウェル」には及ばないとはいえ、中国に供給されていたH20はもとよりH100よりも高性能のチップだ。

上海で開いた世界AI大会に出展したカンブリコンのブース。エヌビディア製チップは国産勢にとって手ごわいライバルになりそうだ(カンブリコンのウェブサイトより)

一方、中国製AIチップの大規模AIトレーニングにおける性能は、今のところ最先端製品でもH20に匹敵する程度にとどまる。さらにエヌビディアは別の優位性を持つ。既存の大規模AIモデルの大多数は、エヌビディア製のGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット、画像処理装置)を前提に設計されており、開発には同社のソフトウェア環境が使用される。

中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の「昇騰(Ascend)」やカンブリコンのAIチップを使ってモデルを動かすには、ソフトウェアの移植・修正が必要となる。

民間クラウド向けではエヌビディアの優位続く

中国製AIチップは主に2つの市場向けに販売されている。一つは政府主導のインテリジェントコンピューティングセンターや通信事業者向けの市場、もう一つは阿里巴巴集団(アリババ)や騰訊控股(テンセント)、百度(バイドゥ)といった民間のクラウド事業者向けの市場だ。

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前者は、エヌビディアのチップからの乗り換えがすでに完了している。例えば、携帯電話キャリアである中国移動(チャイナモバイル)が2024年6月末に稼働させた呼和浩特万卡(フフホトワンカ)クラスターの国内調達比率は95%を超えている。

しかし、民間クラウド事業者が支配する後者の市場では、国産チップのシェアは依然低い。クラウド事業者間の大規模AIモデル開発競争において、優れた学習効果に加えソフトウェア改修の必要性が小さいことから、エヌビディアのチップは依然として第一の選択肢となっている。

(訳注:現地時間12月9日、英フィナンシャル・タイムズは中国政府が同国内でのH200の利用を制限する方針だと報じた。また、中国政府が国産のAI半導体を「政府調達リスト」に追加したとの報道も出ている)

(財新記者:劉沛林)
中国語原文の配信は12月9日

※本記事は原文を要約し、日本の読者向けに適宜補足したものです。

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