「SNS熱狂!音の仕掛け」「脱通りすがり」・・・最近やたら目にする《ビアードパパ》"急増のワケ" 社長が「あまり言いたくない」と渋る業績の裏側
コロナ禍ではテイクアウトが伸びたことはもちろんだが、家で過ごす時間を豊かにするため、スイーツの人気も高まった。またビアードパパに関していえば、都会にある駅の店舗は苦戦したものの、ショッピングセンター(SC)内店舗は機会来店、つまり、「ついで買い」の客で売り上げが伸びたそうだ。出店構成はSCが約7割と多いことも奏功した。

しかしこれだけでは、急成長の理由とはならない。100店舗の伸びはどう実現したのだろうか。
機会来店から目的来店へ
「機会来店型から目的来店型へと、ブランドのあり方を変えてきたことが一つ。具体的には店頭での目を引くポスターなどから、SNSによる販促に転換してきた。それとともに、商品についてもSNSで拡散されるよう、見栄えや体験価値をアップした」
ビアードパパの商品を体験する人が増えればSNSで拡散されて認知度が上がる。するとまた体験する人も増える、という「サイクル」を回すことが目的だという。
もちろん、商品を体験するための出店も、直営店、FC店の双方でスピードを加速させている。直営とFCの割合は大体半々だ。
結果として、2024年の売り上げは過去最高を記録、また最高益となった。
では目的来店型のブランドへと変化を遂げた、新しいビアードパパが提供する「体験価値」とはどのようなものだろうか。
代表的なのが、2024年に25周年記念商品として発売された「ミルフィーユシュー」だ。幾層にもシュー生地を重ね、さらに特殊製法のデニッシュ生地で包んで焼き上げたパリパリ食感が最大の特徴。聴覚に働きかける「ASMR動画」の流行を背景に、咀嚼音を投稿するSNSが拡散した。結果、多い日で1日に約3万9000個が売れたという。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら