"信金の支店長"はここを見る! 《粉飾決算》を見抜く「7つの極意」 26年に向けて警戒度を高めよ
バンクフォーメーションとは、取引金融機関との関係性(主に融資シェア)のことを言う。①メインバンクはどこか、②取引行数は適正か(=多行取引に陥っていないか)、③地元以外の顔ぶれはどうか(=越境融資の状況)は必須の確認項目。
中でも大事なのが、これらの「変化」だ。通常、こうしたバンクフォーメーションが変わることはそうそうない。にもかかわらず、メガバンクの名前が取引行からいつしか消えていたり、地元以外の金融機関が入ってきたり、しかもその融資シェアが上昇していたりしたときには、警戒度を一段引き上げなければならない。
既存の取引金融機関が「何か」に気づいて動いた可能性が十分考えられる。
業績が良いときは多弁、悪いときは口ごもる
これだけ「粉飾倒産」が相次ぐと、貸し手側が新規融資に慎重になるのは当然だ。足元では、銀行口座の入出金明細書のほか、預金の残高証明書を偽造する悪質なケースが散見される。このため、これまで求めなかった詳細な資料提供を求めるようになった金融機関の話も耳にする。
資料提供に応じない企業には「一切融資を行わない」方針とした金融機関もある中で、それでも資料を出さない(出せない?)企業には、何か“秘密”があるのだろう。
業績が良い時は金融機関に対して流暢に説明するが、業績が厳しくなると、一転して口ごもるようになる企業側の説明姿勢にも通じるものがある。
「金利ある世界」がすでに始まっており、企業側にとって今後の利上げ局面はコスト増がさらに重くのしかかる。このため、少しでも金利が低い企業の方が、対外的には「良い会社」と評価されるのが一般的だろう。
だが、(市場の相場や、業界内の平均値に比べて極端に)低すぎたり、高すぎたりする企業は考えものだ。どちらのケースにおいても何らかの「理由」があり、企業側と金融機関との力関係が歪なものになっている可能性がある。前述した「③バンクフォーメーションの変化」とあわせて注視したいポイントと言える。



















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