議員定数削減で「維新の論理」に屈した自民党がたどる難路、高市首相を悩ませる新連立の"不協和音"

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自民と維新
日本維新の会の藤田文武共同代表(左から2人目)から社会保障改革に関する申し入れを受ける高市早苗首相(写真:時事)

自民党と日本維新の会は12月5日、衆議院の定数を現行の465議席から1割削減する法案を国会に提出した。今臨時国会での成立を目指し、削減方法は衆議院の与野党協議会で検討されるが、法施行から1年以内に結論が得られなければ、「小選挙区で25議席、比例区で20議席」が自動的に削減されるという条項が盛り込まれている。

主導するのは「大阪でもできたのだから、国政でも可能だ」と強気の維新側。自民党はそれに追従せざるをえない状況だ。2日には党内審査を開始したが、「自動削減条項」について反対意見が殺到した。3日に開かれた総務部会・政治制度改革本部合同会議では、加藤勝信本部長らに一任となった。

5日午前の総務会では、欠席の議員や途中で席を立つ議員もいた。有村治子総務会長は会見で、「連立を組むという中での政治の混乱を避けなければならない」としたうえで、「連立与党の、樹立のときの公党間の約束ということの重要性に鑑みて、了承をするという意思決定をさせていただいた」と述べている。

過半数をめぐる「なりふり構わぬ展開」

10月10日に公明党が連立を離脱し、その10日後には維新が自民党の新たなパートナーの座に納まった。しかし、衆議院で196議席の自民党と34議席の維新では、過半数(233議席)を制することはできなかった。参議院で100議席の自民党と19議席の維新でも、やはり過半数には6議席足りない。

そこで参議院では、「NHKから国民を守る党」の副代表だった斎藤健一郎参院議員と統一会派を組んだ。斎藤氏はかねて自民党議員と交友を深め、「一緒にやりたい」旨を伝えていたようだ。N国党は7月の参院選で、浜田聡前参院議員が落選したうえ、得票率でも政党要件である「2%条項」を満たさず、斎藤氏は「無派閥」となっていた。

だが、自民党兵庫県連と自民党兵庫県議団が猛反対し、党本部に説明するよう申し入れた。原因は、N国党の立花孝志代表の存在だ。

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