議員定数削減で「維新の論理」に屈した自民党がたどる難路、高市首相を悩ませる新連立の"不協和音"
昨年11月の兵庫県知事選で、斎藤元彦知事を事実上応援する「2馬力選挙」を行ったのに加え、百条委員会委員長だった奥谷謙一県議や竹内英明元県議らに対して誹謗中傷を重ね、竹内氏が自死した後もその行為を止めなかった。
自民党本部は「斎藤氏はN国党ではなく無所属」という理屈で押し切ろうとしたが、県連と県議団は納得できず、追加の抗議を予定していた。そこに立花氏が竹内氏への名誉毀損容疑で逮捕されたため、斎藤氏が会派を離脱。騒動はいちおう収まった。
一方で衆議院では、9月に維新を離脱した斉木武志衆院議員、守島正衆院議員、阿部弘樹衆院議員が11月28日に自民党の会派に合流した。3人は10月21日の首班指名で高市首相に票を投じ、自民党への接近が話題となっていた。
これで与党は233議席と過半数を制し、予算案の決議や条約の承認、国会の会期の決定や内閣不信任案の否決などで、優位に立つことができる。だが問題は、自民党と維新の関係だ。
高市首相「そんなこと」発言の背景事情
維新は選挙の際に「除名の場合は議員辞職する」との誓約書をとっているうえ、斉木氏は北信越ブロック、阿部氏は九州ブロックの選出で、「比例区の議席は党のもの」という論理が成立しないわけではない。
維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は11月28日の会見で、「議席を維新に戻すのが筋だと思うが、与党で過半数を得たい自民党の気持ちもわかる。だからコメントすることはない」と述べたが、その表情は不愉快さを押し殺しているように見えた。そのような維新に対し、自民党は最大の配慮を見せている。
「そんなことよりも、野田総理。ぜひ定数の削減をやりましょうよ」(発言ママ)。11月26日午後の党首討論で、「政治とカネ」問題に取り組むべきと主張した立憲民主党の野田佳彦代表に対し、高市早苗首相はこう述べた。



















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