【独自】ニデックを支配してきた「永守イズム」の壮絶、「計画未達は罪悪であり大恥であり大不幸である、赤字は犯罪である」は何をもたらしたか

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それによると、『挑戦への道』が社員に説くのは、「16時間働けば倍仕事ができる」「仕事のストレスは仕事で癒す」「1番以外はビリ」といったハードワークの推奨から、「不良品は不良社員が作る」「トップが自ら一番努力し、頑張っている背中を社員に見せろ」といった心構え、さらには「できる人間の3要素は、声がでかい、出勤時間が早い、食べるのが早い」といった、やや根拠が不明のものまであり、要は社員としてあるべき姿が平易な言葉でまとめられている。

ニデックの組織風土を改革しようとした関氏は2022年に会社を去った。(撮影:ヒラオカスタジオ)

まず1人がその一部を読み上げると、残りがそれぞれ感想を言い合う。中途採用で入ってきた社員は「まるで宗教のよう」と戸惑うが、輪読は毎朝繰り返され、しだいに刷り込まれていく。ある元社員は、「輪読を繰り返すうちに、永守氏に意見するなどおこがましいといった空気感が社内に醸成されていた」と話す。

稲盛和夫氏に対する強烈なライバル意識

なお、同じ京都に本社を置く京セラでも創業者の稲盛和夫氏の『京セラフィロソフィ』を輪読する。ニデックにおける輪読はそれをまねたものと思われる。永守氏は稲盛氏より一回り年下だが、稲盛氏には強烈なライバル意識を持っていた。現在の京都市南区のニデック本社ビルを建設するに当たっては、伏見区にある京セラ本社ビルよりわざわざ5メートル高くしたことを永守氏本人も明かしている。

ただ、エッセンスをまとめた文書によると、『挑戦への道』には看過できない文言がある。「計画未達は罪悪であり大恥であり大不幸である 赤字は犯罪である」との言葉がそれだ。

「未達は悪、赤字は犯罪」は経営会議の場や役員宛ての一斉メールなどで永守氏が好んで使う言葉だった。こうした企業文化が何をもたらしたのか。詳細は【ニデックを支配してきた「永守イズム」の壮絶、「計画未達は罪悪であり大恥であり大不幸である、赤字は犯罪である」を叩き込んだ結果起きること】をご覧ください
竹中 明洋 ジャーナリスト

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たけなか・あきひろ / Akihiro Takenaka

1973年山口県生まれ。北海道大学卒業、東京大学大学院修士課程中退、ロシア・サンクトペテルブルグ大学留学。在ウズベキスタン日本大使館専門調査員、NHK記者、衆議院議員秘書、「週刊文春」記者などを経てフリーランスに。著書に『殺しの柳川 日韓戦後秘史』など。

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