〈AIはSaaSを殺すのか〉AIエージェントが問い直す"バックオフィスSaaS"の存在価値。代替進めばSaaSは不要?AI時代に生き残るプレーヤーの条件
例えばLayerXでは、経費精算において申請レビューや明細の自動仕訳などを行うAIエージェント機能の提供を始めた。申請レビューでは、社内規定や過去の申請データを参照し、個々の申請のエラーチェックを行うことができる。
また従来のOCRでは、文字や数字の読み取り自体はできても、領収書の発行元によって異なる税率表記などの違いや、マスターデータの不一致(領収書に書かれている店名や品目が、経理システムなどに事前に登録されている正式な名称と一致していないこと)への対応は難しかった。生成AIは文脈を読み取ったうえでデータを一致させることができるため、複雑な仕訳業務も可能になる。
一方で、従来SaaSが提供してきたサービスをAIエージェントで代替できるならば、わざわざ顧客企業がSaaSを導入する必要がなくなり、「SaaSそのものの価値がなくなるのではないか」という懸念も渦巻く。24年ごろには、アメリカの株式市場を中心に、「SaaS is Dead」という言葉も大きな話題となった。
生成AI が明確に苦手なこと
22年11月、米OpenAIが開発した「ChatGPT」の登場は、世界に衝撃をもたらした。このとき「楽楽シリーズ」を展開するラクスの社内でも、「業務のすべてが生成AIへの指示でこなせる未来が来るかもしれない」との危機意識が高まったという。




















無料会員登録はこちら
ログインはこちら