「タイパ」を連呼する若手に、泥臭いおじさんが圧勝できるAI時代ならではの理由

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また、ビジネスは最終的には「人」対「人」です。人は論理だけでは動きません。感情、プライド、貸し借り、好き嫌い……そうした非論理的な「EQ(心の知能指数)」が求められる領域こそ、泥臭い仕事をこなしてきた世代の独壇場です。

「あのお客様は、理屈よりも先に顔を立てないと動かない」
「このタイミングでの提案は、正論でも反発を買うだけだ」

こうした判断は、失敗して怒られたり、頭を下げて回ったりした「行動量」からしか得られません。タイパを求めて量を避けることは、この「人間理解の解像度」を下げることと同義なのです。

あなたの「非効率な過去」は、AI時代こそ生きる

もし、あなたがこれまでのキャリアで、遠回りをしたり、無駄に見える苦労をしてきたなら、胸を張ってください。その「非効率な時間」こそが、AIには絶対にコピーできない、あなただけの経験知を作り上げています。

AI時代において、AI活用の質を決めるのは人間の経験知です。AIが出してきたものに対して「これは現場では通用しない」「人の心はもっとこうしないと動かない」と、身体感覚を持ってジャッジできるはずです。

「効率」はAIと若手に任せて、「判断」と「責任」は泥臭い経験を積んできたベテランが引き受ける。それこそが、AI時代における最強のチームワークであり、大人の勝ち筋なのです。

三浦 慶介 株式会社グロースドライバー代表取締役社長

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みうら けいすけ / Keisuke Miura

1983年生まれ。一橋大学法学部卒業。サイバーエージェント、リヴァンプ、グロース上場企業スパイダープラスのCMOを経て2025年に独立。ゲーム・小売・飲食・教育・建設Techなど幅広い業界で事業成長を牽引。会員数150万を超えるヒットゲームの開発、数百万人が利用するCRMアプリの企画・開発、年間数十億円を運用するマーケティングチームの内製化、1年で生産性を160%改善する営業改革など、業種・業界を問わない事業成果を実現。現在は「AI時代の人材育成×事業戦略」を専門に、事業成長の伴走支援と知見の体系化に取り組む。著書に『AI時代に仕事と呼べるもの』(東洋経済新報社)がある。

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