椅子の周りには、三人の男子の姿があった。第六班の、三宅と豊田と丸井だ。三宅は銀縁眼鏡を掛けた貧相な体つきの男子で、豊田は短髪で体格が良い男子で、丸井は背が高く手脚が妙に長いひょろひょろとした男子だった。
「下着姿の写真くらいならいいでしょう?」
「三宅君、将来は美術大学に進学したいんだって。だから絵の勉強をしているの。林檎とか花瓶とかのデッサンは一通りやったから、次は人物のデッサンがしたいっていうの。楠木さんの写真を、何枚か撮らせてくれる?」
奈央はよく分からないままに、促されて椅子に座った。前方では、三宅がスマホをかまえている。何枚かの写真を撮られる。三宅は撮影した画像を確認したのちに言う。
「次は椅子から立って、背もたれに片手を載せるようなポーズをしてくれる?」
奈央は言われた通りのポーズをする。木村は三宅のスマホを覗き込んで、微笑みを浮かべている。
「楠木さんはスタイルいいから、素敵な写真が撮れてる。きっとこれで三宅君の画力も上がるね!」
しかし三宅は不服そうな顔で言う。
「デッサンの基本は、裸体なんだ。どこにどんなふうに筋肉や脂肪がついているか理解しないと、正しいデッサンなんてできないよ」
木村は薄い唇の端を歪め、すると点々としたニキビもぐにゃりと動いた。
「ほら、楠木さん、三宅君に協力してあげてよ。三宅君は大事なクラスメイトでしょう? 裸とまでは言わないから、下着姿の写真くらいならいいでしょう?」
途端に嫌な予感で頭が満たされる。木村や、男子たちは、最初からそれが目的だったのだ。しかも彼らはグループLINEで他の生徒とも繋がっている。卑猥な写真を撮られたら、グループLINEで拡散されるかもしれない。そのLINEの画像を脅迫材料にして、もっとひどい状況に追い込まれるかもしれない。奈央は震える唇で、どうにか口にする。
「体操服でいいでしょう? それ以上はぜったいに嫌」



















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