「1ドル160円で止まるのか?」サナエノミクスの正否を見極める"たった1つの視点" 「電気代補助」より「子育て支援」が効くワケ
必要なモノを作る力が減り、世界が求めるモノを生み出す力が弱まっている以上、短期的な為替対策や補助金では、この構造を根本から変えることはできない。
円安を解決するための「投資」とは
円安が進む中で、外貨建て資産を持つことは、個人にとっては合理的な防衛策だ。物価高や円安リスクに備えるという点では、ごく自然な判断でもある。
しかし、日本全体で見ると、そこには無視できない“副作用”がある。外貨資産を買うという行為は、裏側で必ず円を売ってドルを買う動きを伴うからだ。
書籍の中でも次のように書いた。
苦しい生活を短期的に解決するためには、電気代やガス代の補助は有効だし、個人的な解決においては、外貨投資もある程度は合理的だ。
しかし、長期的な解決のためには、「この国が何を生み出せるか」という力が重要になる。その力が弱っている限り、どれだけ財政政策や金融政策をいじっても、円安は根本から解消されない。
円安を本当に止めるには、国内で価値を生み出せる社会を取り戻すこと。そのためには、子どもを育てる家庭を支え、未来の担い手を増やすという視点も大切だろう。
子育て支援は「子育て世代のため」ではなく、日本の生産力を守り、円の価値を支えるための、もっとも長期で確実な「投資」だ。
サナエノミクスがただの“バラマキ政策”にならないためには、“人を育て、人が働ける社会”を整えられるかどうか。そこに、日本の未来と円の未来がかかっている。
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