「1ドル160円で止まるのか?」サナエノミクスの正否を見極める"たった1つの視点" 「電気代補助」より「子育て支援」が効くワケ
一方で、子育て支援策はお金の流れる先が異なる。粉ミルクなど一部に輸入品はあるものの、ドル買いの規模はエネルギー輸入とは比べものにならない。
このように、長期的な円安を生むのは、投機や金利差による投資のお金の流れではなく実需としてのドル買いだ。であれば、円安を抑えるために本来必要なのは、実需としての“円が買われる”構造を取り戻すことである。
聞かなくなった「メイドインジャパン」
今の日本では、円安になっても海外から円が買われない。日本の商品がかつてほど売れず、“円を買う理由”が生まれていないのだ。その結果、円安によって家計が苦しくなるのに、輸出は伸びないという、本来なら起きないはずの現象が起きている。
電気代も小麦もガソリンも値上がりし、「いったい何が起きているのか」と言いたくなる人も多いだろう。
正直なところ、書籍の中でも思わず「責任者、出てこい」と書いてしまった。
このように、円安が進んでも輸出が伸びない背景には、人手不足という構造的な問題がある。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら