「翌日に疲れが残る人」が実践したい"対処法3つ"。「働きすぎ」と「ちょうどいい働き方」の境界線を精神科医が提言

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これをビジネスパーソンに置き換えて考えるならば、重要な企画書や提案書の作成などの頭を使う仕事は、脳が活発に稼働する午前中に済ませて、事務処理などの作業を午後に回すことによって、仕事の効率がよくなります。こうした脳の仕組みを知っておけば、自然とコスパのいい働き方を見つけ出すことができます。

ムダに人間関係を広げない

体力に不安があるならば、仕事を自分1人で抱え込むのではなく、周囲の人に助けてもらうことも大事な戦略といえますが、人に手助けしてもらう場合にも、できるだけ自分を犠牲にしない工夫が必要です。

その理由は、相手との関係性ばかり気にしてしまうと、自分の時間とエネルギーを浪費することになるからです。

用心深い人であれば、「こんなことがあったら、この人に相談する」とか、「あんなことがあったら、あの人に助けてもらう」など、さまざまなケースを想定して、頼れる相手を事前に10人くらい準備しているといいます。

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ビジネスパーソンの世界では、こうした行動を「人脈作り」と称していますが、いくら人脈作りに励んでも、万が一の事態が起こった際に、その人が必ず力になってくれるとは限りません。

それ以上に問題なのは、頼れる関係性を維持するために、時間やエネルギーだけでなく、場合によっては、定期的に食事に誘ったりする必要があるため、金銭的にも負担を強いられることです。私はこれを、人脈作りの「三重苦」と考えており、あまり効率のいい作戦ではないと見ています。

自分が頼りたいと思う人を、得意分野に応じてたくさん確保しておく必要はなく、現実的には2~3人もいれば十分だと思います。本当に頼れる人であれば、自分が手に負えない場合には、他の適切な人を紹介してくれるはずです。

先のことばかり心配して、あまりにも手を広げてしまうと、今度は人間関係という新たな悩みに振り回されることになります。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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