山上被告の母親が証言「私がしっかりしていれば、徹也の人生は台無しにならず、事件は起こらなかった」

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05年に被告が自殺を図った際、母親は教団の活動で韓国にいた。教団関係者から「命に別条はない」と聞いたため、すぐに帰国せず活動を優先した。15年に被告の兄が自殺した後は被告と疎遠になったという。

今回の事件はニュースで知ったといい、母親は「信じられない思いだった」と振り返った。

公判では、被告の不遇な生い立ちが事件に与えた影響をどこまで量刑に反映するかが焦点となっている。

母親は、弁護人から事件が起きた原因を問われ、「私が加害者だと思う」とし、「献金も黙ってして、子どもたちもほったらかしでやってきた」と述べた。

「教団に尽くしたら家庭が良くなると思っていた。そういう思いを利用したのは教団だと思っている」「本当の宗教は貧しくても心が豊かになる。私ははき違えて、教団からちやほやされることで有頂天になっていた」と教団の活動に疑問を示した。献金したことは間違っていたとも証言した。

母親は前回の尋問で、現在も教団を信仰していると明かしたが、18日は、教団の活動に参加せずに信仰を続けていると説明。脱会の意向の有無を問われると、「今ここでは答えられない」と述べた。

検察側の反対尋問では、被告らを育てていた当時、きちんと家事を行っていたとし、「子どもに信仰を強制したことはない」と語った。被告が事件を起こした動機については、宗教2世を念頭に、「苦しい思いをしている人のためにやったんじゃないか」と推測した。

被告は終始、うつむいた状態で証言を聞き、表情を変えることはなかった。

母親は尋問終了後、「徹也に申し訳なかったと思っています」と発言。裁判長から「尋問は終わりです」と制止されたが、「てっちゃん、ごめんね」と被告に語りかけた。被告は下を向いたままだった。

その後、弁護側証人の被告の妹が出廷した。

妹も母親と同様に遮蔽板が設置された。冒頭、「思い出すと涙が出るので、人に生い立ちは話せなかった。忘れようと生きてきたが、今回は話そうと思う」と述べた。

妹は、母親が自宅の部屋に教団創設者らの写真を飾って祈りをささげたり、近所の住民を教団に勧誘したりしていたと説明。「(母親は)教団のことで頭がいっぱいで私には無関心だった」と振り返った。

妹の尋問は19日にも行われる。

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