名古屋・西区が"駄菓子メーカーの聖地"である理由 老舗が挑む「高級ギフト」「異業種コラボ」の次の一手

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駄菓子メーカーの名前は知らずとも、商品名は広く知れ渡っていることが多い。

「さくらんぼ餅」や「フルーツの森」という爪楊枝で食べる餅飴を製造している共親製菓もその一つ。商品の知名度の高さから、コンビニやカプセルトイを企画する会社からコラボのオファーが相次いでいるという。

共親製菓の安部隆博社長(筆者撮影)

「ロイヤリティよりも多くの人に弊社の商品をPRできればと思いました。実際、コラボ商品が出たときは売り上げがアップするんですよ。はじまりは2022年の秋にセブン-イレブンさんで限定販売された『フルーツの森 ひとくちアイス』でした」と話すのは、共親製菓代表取締役社長の安部隆博さんだ。

1年がかりで開発、コンビニで販売

コンビニ商品の開発を手がけるセリア・ロイルとのコラボで試作と試食を繰り返しながら約1年がかりで完成させた。北海道と東北、関東、甲信越、北陸、東海、近畿、中国、沖縄で販売され、大きな反響があったという。

その後はさくらんぼ餅シリーズのマスキングテープ(カモ井加工紙)や、共親製菓の駄菓子アイテムのカプセルトイ(バンダイ)、さくらんぼ餅のワイヤレスイヤホン(ウルトラニュープランニング)などを出し、これらも評判は上々だった。

クレーンゲームの景品用に製造されたさくらんぼ餅と青リンゴ餅のワイヤレスイヤホン(共親製菓提供)

「さくらんぼ餅20個入りのパックは、クレーンゲームの景品になっていますし、さくらんぼ餅シリーズのファミリーパック『テトラもちあめミックス』は、アミューズメント施設等さまざまな場所でよく売れています」(安部さん)

今や駄菓子は子どものものではなく、親世代も含めた家族のものになっているのではないか。そう考えていたら、安部さんから日本のお菓子を世界中に届ける「Bokkusu(ボックス)」や「ICHIGO(いちご)」で「さくらんぼ餅」などの駄菓子が人気を博していると聞いた。

近い将来、名古屋市西区の菓子問屋街に多くの外国人が駄菓子を買いに訪れる日が来るかもしれない。

駄菓子業界は、原材料費や燃料費の高騰で苦戦を強いられているのは間違いないが、持ち前のアイデアでこの難局を乗り越えてもらいたい。

永谷 正樹 フードライター、フォトグラファー

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ながや まさき / Masaki Nagaya

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。

地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに記事と写真を提供。

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