名古屋・西区が"駄菓子メーカーの聖地"である理由 老舗が挑む「高級ギフト」「異業種コラボ」の次の一手

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また、ポン菓子の魅力を発信すべく、2014年に本社から近い海岸線沿いに「ぽんかふぇ」をオープン。ロケーションが良く、家田さん自身もバイク乗りであることから、全国のライダーがここをめざしてやってくる。

これまでなかったイチゴや抹茶、キャラメルなどのフレーバーが楽しめるポン菓子を販売しているほか、ポン菓子をアクセントにした「雑穀ぽんアイス」や夏季限定で「かき氷ぽんアイス」などイート・イン用のメニューも用意している。何よりも問屋を通してスーパーなどで販売するよりも利益率が高くなるのが製造直売のメリットだ。

そんな家田製菓に危機が訪れたのは3年前のこと。ロシアのウクライナ侵攻と異常気象により燃料費をはじめ、砂糖や水飴、段ボールなどポン菓子の製造に不可欠なありとあらゆるものが高騰した。今年になってさらに追い打ちをかけたのは米価格の高騰と米不足だった。

「お米で味が左右されるので、古米は使わず、主に山形県の庄内平野でその年に収穫した『はえぬき』というお米を使っています。価格が倍になっても品質を保つために使い続けたいので、今年10月から値上げをさせていただきました」(家田さん)

「ぽんかふぇ」で販売されている「ぽんぽんカップ」(380円〜420円)。左からキャラメル味、いちご味、抹茶味、ココア味(筆者撮影)

お土産向けの高付加価値商品を開発

1袋300円〜400円のポン菓子だけでは将来生き残ることはできないと考えた家田さんはポン菓子に付加価値を与えることを考えている。その一つが「ぽんかふぇ」とオンラインストアで売られている「ぽん棒ギフトセット」だ。

これはポン菓子を円柱型の棒状にした「ぽん棒」の甘辛しょうゆ味と黒糖味、プレーン味、青さ味、ピーナツ味を各3本、計15本と、海苔つきおむすび2個の詰め合わせ。黒いカゴに赤いリボンを施した上品なパッケージで、赤のクラフト手提げ袋も付く。手土産やプレゼントにすると喜ばれそうである。価格も2000円と手頃なこともあって、よく売れているという。

「お米だけではなく、栄養価が高くて身体によいとされる粟(あわ)や稗(ひえ)などの雑穀を用いて、食べて健康になれる商品を開発中です。それと、ジェイアール名古屋タカシマヤで毎年開催される『アムール・デュ・ショコラ』に出店できるような高級志向のチョコレートを有名なショコラティエとコラボして作れたら最高ですね」(家田さん)

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