「不登校35万人超」過去最多、調査結果に表れない「出席扱いの子」の実態は把握できているか? 「"学びの多様化学校"の設置だけでは限界」の訳
児童生徒の不登校が増加し、社会的な課題として認識されるようになって久しい。文部科学省も「COCOLOプラン」や「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」を公表し、対策の切り札として不登校児童生徒の実態に配慮した「学びの多様化学校」の設置を促進するほか、校内外の教育支援センター設置にも力を入れている。
不登校児童生徒数は12年連続増、過去最多
こうした中、つい先日、「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」が発表された。
不登校児童生徒数は、小学校では13万7704人(前年度比7334人増)、中学校では21万6266人(同154人増)で、小学校と中学校を合計すると35万3970人(同7488人増)となった。
新たに不登校と認知された児童生徒数が減り、不登校継続率も低下したのは、文科省や各自治体の不登校対策が少しずつ成果を上げている証左だろう。しかし、全体の増加率は鈍化したものの、依然として不登校児童生徒数は12年連続で増加しており、35万人超は過去最多である。
筆者は民間からの公募で12年間、学びの多様化学校「高尾山学園」の校長を務めてきた。教員経験がない中で、素直に1人の人間として不登校を経験した児童生徒に向き合ってきたが、どんな児童生徒も、根幹には「学びたい」「友達と仲良くしたい」という気持ちがあると感じている。ただ、それがさまざまな理由でうまくいかず、不登校になっているのだ。
不登校の要因が多様である一方、毎月転入してくる児童生徒や保護者と対峙していると、年々不登校が増え続けている背景も見えてきた。



















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