【アジアンクロスカントリーラリー3年ぶりの総合優勝】三菱自動車の名門ブランド「ラリーアート」活動のカギを握るタイで強める存在感

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三菱自動車のレムチャバン工場
三菱自動車のレムチャバン工場(写真:三木 宏章)

その理由として2つある。1つ目は、タイがクルマの改造やモータースポーツに対して寛容だからだ。例えば、バンコクの街中では、一般のクルマだけではなく、タクシーでさえ、エアロパーツをつけていたり、マフラーを変えていたりして驚かされる。ドレスアップやチューニングの人気が高く、休止期間はあったがラリーアートというブランドの人気も根強い。

そして、2つ目の理由は、三菱自動車にとってタイは重要な生産拠点であり、マーケットでもあることだ。今回のタイ取材では、アジアンクロスカントリー2025だけではなく、三菱自動車の生産拠点でもあるレムチャバン工場も取材したが、第1工場、第2工場、第3工場、塗装工場、またミツビシ・モーターズ・タイランド(MMTh)のエンジン製造子会社ミツビシ・モーターズ・タイランド・エンジン(MEC)のエンジン組立工場が隣接。さらにサプライヤーも近隣に集結し、さながら三菱自動車の街といった様相で、その巨大さに驚かされた。

グローバルにおける最大の生産拠点であるタイ

レムチャバン工場では、車両の組み立てだけではなく、ハイブリッド車用のバッテリー生産なども行っている
レムチャバン工場では、車両の組み立てだけではなく、ハイブリッド車用のバッテリー生産なども行っている(写真:三木 宏章)

2025年4月末時点、MMTh全体で5155名、MECを含むレムチャバン工業団地エリアで4772名もの雇用を生む。年間42.3万台の生産能力を有し、これは三菱自動車の単一工場における最大となる。ちなみに2024年度の生産台数は、日本の水島工場が26.0万台、岡崎工場が20.5万台、それに次ぐ20.1万台がタイ・レムチャバン工場となっている。

さらに三菱自動車のタイ工場は、タイで唯一の自動車輸出が可能なレムチャバン港に隣接し、タイ国内だけではなく、ASEAN地域をはじめ、アフリカやアメリカ、オーストラリアやニュージーランドなど、120カ国以上の国に完成車を輸出。三菱自動車におけるグローバル生産の拠点なのだ。

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