【アジアンクロスカントリーラリー3年ぶりの総合優勝】三菱自動車の名門ブランド「ラリーアート」活動のカギを握るタイで強める存在感

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2002年のパリ・ダカールラリーで総合優勝を獲得した「パジェロ」
2002年のパリ・ダカールラリーで総合優勝を獲得した「パジェロ」(写真:三菱自動車)

また、並行して1983年からは世界一過酷なラリーとしても知られるダカールラリーに「パジェロ」で参戦。1985年には日本車初の総合優勝、さらに1-2フィニッシュという偉業を達成。ダカールラリーでは、現在のチーム三菱ラリーアートの総監督である増岡浩氏もドライバーとして日本人初の2連覇を飾っている。

そのほか、2012年からは電気自動車によるモータースポーツ活動も開始。世界初の量産電気自動車である「アイ・ミーブ」をベースにした車両で標高差約1500mを駆け上がるアメリカのヒルクライム競技「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」への挑戦を開始。そのほか、アウトランダーPHEVをベースにした競技車両でクロスカントリーラリーにも参戦する。

タイからスタートした新生ラリーアート

2021年にラリーアート復活第1弾としてタイで発表された「トライトン」と「パジェロスポーツ」の特別仕様車。両モデルとも往年のラリーアートモデルを彷彿とさせるサイドデカールやロゴなどを採用
2021年にラリーアート復活第1弾としてタイで発表された「トライトン」と「パジェロスポーツ」の特別仕様車。両モデルとも往年のラリーアートモデルを彷彿とさせるサイドデカールやロゴなどを採用(写真:三菱自動車)

その後、活動を休止したラリーアートだが、2022年の国内本格復活とともにモータースポーツ活動も再開。そのステージに選んだのがタイを中心にアセアン地域で開催される「アジアンクロスカントリーラリー(AXCR)」で、参戦初年度となる2022年にいきなり総合優勝を果たす。2023・2024と優勝を逃すが、今年の8月に開催されたアジアンクロスカントリーラリー2025では、悲願だった総合優勝を3年ぶりに獲得した。

少し話は脱線するが、なぜ新生ラリーアートは東南アジアのタイを主戦場に選んだのか? もともとラリーアートは、三菱自動車ワークスドライバーだったアンドリュー・コーワン氏によって、ラリーアート・ヨーロッパとして産声を上げる。その翌年1984年に三菱自動車の子会社として日本国内でもラリーアートが設立された。その後、2021年にタイから新生ラリーアートの活動が再開したことは前述したとおり。

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