滋賀県知事らが原発の危険性について発言、東海第二原発で大事故が起これば首都圏も致命傷に

滋賀県知事らが原発の危険性について発言、東海第二原発で大事故が起これば首都圏も致命傷に

国会議員や市民などで組織する「エネシフジャパン」は5月7日、「新しい酒は新しい革袋に--原発再稼働と地方自治体の役割」と題した勉強会を、衆議院第一議員会館内で開催。自治体の首長や学識経験者が、脱原発を目指す自治体の取り組みについて語った。

「大阪府市エネルギー戦略会議座長」を務める植田和弘・京都大学教授は、大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を目指す関西電力の株主総会で行う、大阪市による株主提案の内容と趣旨について説明。「論理的に想定されるあらゆる事象についての万全の安全体制」や「使用済み核燃料の最終処分方法確立」などが満たされない限り、原発を稼働しないとする「脱原発」への定款変更を求めていくと語った。


植田和弘・京都大学教授

続いて登壇した茨城県東海村の村上達也村長は、村内にある日本原子力発電・東海第二原発が東日本大震災の津波による被害を間一髪免れたいきさつについて明かした。村上村長は、日本原電が防潮堤のカサ上げや防潮堤のすき間を埋める工事を震災直前までに終えていたことで非常用電源がすべて稼働できなくなる最悪の事態を回避できたと説明。

そのうえで、半径20キロメートル圏内に70万人以上の人口を擁している事実(福島第一の場合は約7万8000人)から見ても、万一の場合の避難や損害賠償が事実上不可能であることを指摘。同原発は「永久停止のうえで廃炉にすべき」と強調した。


村上達也・東海村村長

村上村長は、東海第二原発の建屋内の燃料貯蔵プールに2000体もの使用済み核燃料が保管されていることについても問題視。「同プールについては原子力安全・保安院からも壁がもろいと指摘されている。早急な補強とともに、(より安全性が高い)乾式キャスクへの収納を早急に進めてもらいたい」と語った。

関西電力・大飯原発3、4号機の再稼働問題に直面する滋賀県の嘉田由紀子知事(タイトル横写真)は、大地震によって福井県若狭地方の原発が福島第一原発と同規模の放射性物質を拡散させた場合、放射性ヨウ素による汚染(甲状腺等価線量50ミリシーベルト超、屋内退避が必要)が滋賀県内全域に及ぶとするシミュレーション結果が得られたと説明した。
 
 嘉田知事は、「万一の場合、関西圏1450万人の水源である琵琶湖が放射能で汚染され、生物濃縮を通じて生態系に深刻な影響が出かねない。琵琶湖に注ぐ河川は400にものぼるため、流域がいったん放射能で汚染されたらお手上げになる。対策を講じること自体が困難だ」とも語った。
 
(岡田広行 =東洋経済オンライン)

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