「未練はある。続けたい」それでも家族のために引退 最初は妻が辞めると言っていたが・・・寺田学議員(49)が明かした理由と永田町への違和感

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寺田学衆院議員
家事・育児に専念するとして、今季限りでの政界引退を表明した寺田学衆院議員(筆者撮影)
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高市早苗内閣が発足し、日本の憲政史上初めての女性首相が誕生した。自宅に戻った高市氏の傍らには、これも初となる「ファーストハズバンド」が付き添う。
各国に比べて女性議員が少なく、圧倒的な男性優位社会が今も続く永田町。ファーストハズバンド誕生に先立つ9月には、菅直人元首相の首相補佐官として東京電力福島第一原子力発電所事故などの対応を担った寺田学衆院議員(立憲民主党)が、妻の寺田静参院議員を支えるため、家事・育児に専念するとして、今季限りでの政界引退を表明した。こうした動きは、何らかのムーブメントになるのだろうか。

「未練はありますよ」

「やり尽くしたということはない。言葉を選んだほうがいいけど、未練はありますよ、それはもう、続けられるもんだったら、それは続けたいというのは、本心ですよ。だけど、自分の思いだけでは、物事が判断できない環境になった。やっぱ年を追うごとに、周りも変わり、自分のライフステージも変わっていったんでしょうね」

2003年の初当選以来、衆院当選7回の49歳。心身共に充実する、まさに働き盛りの年齢だ。菅、野田両政権で首相補佐官を務め、年齢的にも「これから」という最中での引退表明は、永田町でも地元・秋田でも驚きの声が広がった。寺田氏と15年を超える付き合いがある筆者も驚いた反面、「寺田氏ならではの決断」と冷静に受け止められる思いがある。

夫婦それぞれが自らのホームページで学氏の引退を公表したのは9月19日のこと。政治家活動と家事・育児の両立困難を理由にした引退劇を、各メディアは軒並み「異例」と報じた。女性議員が同じ理由で引退しても、異例と指摘されることは絶対ないだろう。

それが、男性だと異例と伝えられる。共働き時代を迎えても「男は仕事、女は仕事と家事・育児」との非対称的な性別役割分業意識が影を落とす。政治の世界も決して例外ではない。地元に残る妻に家事・育児を委ね、政治活動に全力投球できる男性と、女性議員との間ではどうしても活動量に差が出る。

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