老舗が直面した「ブランドの高齢化」危機
ブランドは老化する。これはどの業界にも共通する課題だ。顧客の年齢が上がり、若年層に届かなくなれば、どれほどの老舗でも衰退は避けられない。
昨今、「Z世代」との関わり方に頭を悩ませていないだろうか。Z世代とは、1990年代半ば~2000年代初頭に生まれた若者を指す。デジタルネイティブで、「SNSを駆使して情報収集と発信を行い、ゆるく人とつながる」「コスパ、タイパを重視」「自分らしさを尊重する」などの特徴を持つとされる。
それ以前の世代とのギャップは大きいが、彼らがこれからの経済を担うことは間違いない。
このZ世代を獲得するための改革を推進している老舗が、西日本を中心に700店舗を展開する持ち帰り弁当チェーン「ほっかほっか亭」だ。来年50周年を迎える同社は、「米より小麦粉」「主食がフルーツ」「弁当に関心が乏しい」といった食傾向を持つZ世代にも親しまれるよう、「これまでの常識を捨てて」挑んでいる。
「若者の弊社への認知度は低いですね。『ほか弁』という言葉は知っているけれど、それが『ほっかほっか亭』という弁当屋の略語だという認知度はかなり低い。『あったかいお弁当』そのものや『弁当屋の総称』だと思っている人も多いんです」
株式会社ほっかほっか亭総本部 常務取締役 商品企画統括本部 本部長の飯沼俊彦さんは、近年の顧客調査の結果を残念そうに説明する。おもな原因は、1976年の創業から共に歩む顧客層が歳をとっていることだ。


















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