「車が足りない」スバル、打つ手はあるのか

納期が長期化、ディーラーからは急かす声

吉永泰之社長は東京モーターショーで、スバルが目指す自動運転技術について熱弁した(撮影:風間仁一郎)

円安と北米の好成績を背景に、富士重工業は2016年3月期中間期の決算で、売上高、各利益とも過去最高を記録。グローバルの販売台数も47.2万台と中間期として過去最高だった。この結果を踏まえて通期の業績予想を、売上高3兆2100億円(期初計画3兆0300億円)、営業利益5500億円(同5030億円)へ上方修正した。

業績の好調を受けて、株主にも積極的に還元する。同社はこれまで、自己資本比率50%を超えるまでは配当性向を20%方針を維持する方針を掲げてきた。しかし、この9月末で自己資本比率が50.2%に達したことで、配当性向を30%に引き上げ。年間配当金を144円へと前年実績の68円から大幅に増額する。

納入までに2カ月以上待ちも

絶好調であるがゆえに、富士重工業はぜいたくな悩みを抱えている。吉永社長は「まだ車が足りない。車があれば売れる状況だ」と話す。現状、北米だけでなく国内やヨーロッパでも、契約を済ませてから納入までにかかる期間が2か月超と長期化してきており、販売機会の逸失につながりかねない状況に陥っているのだ。

そのため生産能力の増強の前倒しに必死に取り組んでいる。現在、国内と米国の工場を合計した生産能力は、残業や休日出勤も含め年間92~93万台(標準操業では83.6万台)。今期のグローバル販売計画は95.3万台であり、ぎりぎりの綱渡り状況である。

国内外問わず、販売現場のディーラーからは「車が足りない」と急かされ、富士重工業は2016年末に予定していた北米工場での能力増強を同年夏からと半年の前倒しを決めた。現在の北米工場の生産能力は年間20万台だが、2016年末には年間39.4万台の増産体制を整える。

来年末、新型インプレッサの発売も控えている。今後もスバルの快進撃は続くのか。まずは、「ここからあと7、8か月の生産をどう乗り切るのか」(吉永社長)という目下の課題が待ち受けている。

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