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外国人政策を見直す高市政権、右派ポピュリズム政党AfDの躍進を許したドイツは反面教師?参政党に首班指名の協力要請…参政党とAfDを徹底比較

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17年の総選挙で、下院に得票率12.6%で初議席を得てからは、21年選挙10.4%、25年選挙20.8%と安定した支持を得ている。また18年から22年にかけては、全16州議会(ベルリン、ハンブルク、ブレーメン市も州と同等)に議席を有し、25年10月現在も14州で議席を持っている。

公共放送ARDによると、最新の世論調査(今年9月29日~10月1日実施)で、CDU・CSU とAfDの支持率はともに26%で並んだ。AfDが第1党となったのは、ARDの世論調査では初めてだ。

今年5月発足のCDU・CSUと社会民主党(SPD)の連立であるフリードリヒ・メルツ政権は、不法移民の入国阻止、不法残留者の送還促進を精力的に進め成果も上がっているが、AfD支持の拡大に歯止めをかけることができない。

参政党「日本人ファースト」への転換点

参政党は21年12月に発足した。私は公開資料に基づいてしか分析できないが、同党の広報紙「DIYタイムズ」の01号(22年1月14日)~03号(22年5月23日)を見ると、「外国人労働者の増加を抑制し、外国人参政権を認めない」とうたっているものの、前面に出しているのは、新型コロナ禍に際してのワクチン政策の検証である。

当時、日本社会が直面していたコロナ禍という大きな問題に対応する意味はあったろうが、その根底には、「化学的な物質に頼らず、人間の健康と国土を循環型に戻していく」という反科学主義的なイデオロギーもあるようだ。

また、結党当初は「ユダヤ系の国際金融資本」が欧米世界を支配しているといった反ユダヤ主義的陰謀論もその文書の一部にあった。(この点について参政党は後に否定し、文書を改訂している)

私自身は、少なくとも24年10月の衆院選までは、参政党は、ワクチン接種に否定的な、陰謀論を背景に持った政党との印象が強く、外国人問題については、同年4月の衆院補選東京15区の際の日本保守党の主張の方がはるかにインパクトがあった。

実際、今年の参院選以降、話題になっている「日本人ファースト」のスローガンが登場するのは、広報誌の16号(25年6月)からである。当初強かった反科学、陰謀論を唱える幹部党員は離党していったといわれる。

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