子どもを産める年代の女性人口に注目した「消滅可能性都市」がクローズアップされる今、地方出身・在住の「地方女子」にも目が向けられている。タイムリーに今年7月、出版されたのが『地方女子たちの選択』(上野千鶴子・山内マリコ著、藤井聡子協力)。
そこで2012年のデビュー作『ここは退屈迎えに来て』以来、地方女子を主役にした小説を発表してきた山内マリコ氏に、地方女子の「産む」「産まない」の現状について聞いた。
背負わされる「子どもを産み育てる役割」
同書は、山内氏と上野氏の出身地、富山県にフォーカスし、地方女子の思いを伝えるノンフィクションだ。核になるのが、藤井氏がインタビューした富山出身者・富山に残った人・UターンまたはIターンで富山在住の人のいずれかに当てはまる、さまざまな年代の女性14人のライフストーリー。
「富山が好き」と語る人も多いが、印象に残るのは女性が地方で生きる困難さだ。要因の一つには、子どもを産み育てる役割を背負わされることがある。
14人のライフストーリーを知り、山内氏は「自分は富山の現実を全然わかっていなかったのか」と衝撃を受けた。


















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