姿を消したビットコイン発明者「サトシ・ナカモト」を15年追い続けて浮かび上がった「危険な思想」
しかし、長年にわたりチャウムと緊密に仕事をしてきたオランダ人暗号研究者ステファン・ブランドに電話で話を聞いたところ、彼はビットコインをつくったのはチャウムではないと確信しているようだった。「彼は本当に強力な匿名性を持たないものにはいっさい関わらないはずだ」とステファンは言う。また彼は、チャウムが博士号をもち「輝かしい学術的経歴」を持っているのに対し、ステファンの見立てではビットコインを生み出した人物は「学士レベルのセキュリティーエンジニアのようなものだろう」。
ステファンは、ビットコインには高度な設計の才覚が感じられるものの、最も感銘を受けたのはシステムに組み込まれたマーケティング上のインセンティブだと言う。またステファンは、ギャビン・アンドリーセンがナカモトではないかと疑ったこともあるという。ギャビンは否定していた、と私は伝えたが、ステファンは「これを作った人物は明らかに自分の正体を隠そうとしているわけだから、もし本人だとしても『そうだ』とは言わないだろう」と返してきた。
銃を持った数学者たち
ステファンがはっきりと感じていたことが1つある。それは、ビットコインが暗号技術に関する基本的な知識を必要とし、さらに分散化というリバタリアン的な経済思想によって動機づけられているように見えることから、これを考案した人物は、1990年代初頭に活動していたある過激なグループと関係している可能性が極めて高いという点だ。実際、ステファンだけでなく、別の人物も同じグループを指摘してきた。元メンバーだった人物いわく、そのグループは「銃を持った数学者たち」だった。
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